上顎第一大臼歯の異所萌出への早期対応法の検討

上顎第一大臼歯の異所萌出では,歯根吸収の進行した第二乳臼歯の早期脱落を極力防ぎつつ,第一大臼歯の正常な萌出を誘導することが求められる。 著者らは,このような条件が可及的に満たされる上顎第一大臼歯の異所萌出への早期対応法について検討を重ね,臨床応用を行った結果,以下の結論を得た。 1.歯根吸収のある第二乳臼歯を保護しながら,異所萌出した第一大臼歯を効果的に遠心移動するために,Nanceのホールディングアーチを基本形態とする固定装置から弾線を取りはずして調整できる機構を備えた装置と実施方法を考案した。 2.本法は,第二乳臼歯の歯根吸収が高度に進行している症例に対して有効であった。 3.本法は,未萌...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2002/06/25, Vol.40(3), pp.549-556
Hauptverfasser: 山崎, 要一, 徳冨, 順子, 櫻江, 玲史, 岡, 暁子, 野中, 和明, 中田, 稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:上顎第一大臼歯の異所萌出では,歯根吸収の進行した第二乳臼歯の早期脱落を極力防ぎつつ,第一大臼歯の正常な萌出を誘導することが求められる。 著者らは,このような条件が可及的に満たされる上顎第一大臼歯の異所萌出への早期対応法について検討を重ね,臨床応用を行った結果,以下の結論を得た。 1.歯根吸収のある第二乳臼歯を保護しながら,異所萌出した第一大臼歯を効果的に遠心移動するために,Nanceのホールディングアーチを基本形態とする固定装置から弾線を取りはずして調整できる機構を備えた装置と実施方法を考案した。 2.本法は,第二乳臼歯の歯根吸収が高度に進行している症例に対して有効であった。 3.本法は,未萌出の第一大臼歯で異所萌出が強く疑われる症例に対しても有効であった。 4.第一大臼歯萌出期の定期口腔管理は,齲蝕だけでなく異所萌出の早期発見,早期治療にも貢献した。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.40.3_549