Micro-CTを用いた上顎第二乳臼歯根管口部の三次元的観察
乳歯根管口部の形態についての報告の中で,増齢に伴う形態変化に関するものは少ない。そこで,本研究は上顎第二乳臼歯根管口部の増齢による形態変化について把握することを目的として,Micro-CTを用い三次元的観察を行った。資料は萌出状態により分類し,Micro-CTで撮影して,立体構築を行った。立体構築像を多方向から観察し,さらに根管口の直径ならびに関心領域中の歯髄腔の体積率を計測した。 根管口部の立体構築像を観察すると,増齢に伴い,近心頬側根管では頬舌方向の中央部からの近遠心的狭窄が著しく,遠心頬側根管では頬舌方向の舌側からの狭窄が著明であった。口蓋根管では頬舌的な圧扁傾向が著明であり,遠心頬側方...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2002/06/25, Vol.40(3), pp.541-548 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 乳歯根管口部の形態についての報告の中で,増齢に伴う形態変化に関するものは少ない。そこで,本研究は上顎第二乳臼歯根管口部の増齢による形態変化について把握することを目的として,Micro-CTを用い三次元的観察を行った。資料は萌出状態により分類し,Micro-CTで撮影して,立体構築を行った。立体構築像を多方向から観察し,さらに根管口の直径ならびに関心領域中の歯髄腔の体積率を計測した。 根管口部の立体構築像を観察すると,増齢に伴い,近心頬側根管では頬舌方向の中央部からの近遠心的狭窄が著しく,遠心頬側根管では頬舌方向の舌側からの狭窄が著明であった。口蓋根管では頬舌的な圧扁傾向が著明であり,遠心頬側方向の根管壁から狭窄してくるのが認められた。根管口の直径を計測すると,3根共に乳歯列期から混合歯列前期1にかけて著しく縮小した。その時期以降,近心頬側根は混合歯列前期2から混合歯列中期にかけて,遠心頬側根と口蓋根は混合歯列前期1から混合歯列前期2にかけて著しく縮小した。また,根管口部の体積率を計測すると,乳歯列期から混合歯列前期2までに著しく減少した。これらの結果と歯根吸収過程を比較すると,根管口の縮小する部位と時期について相関関係があり,根管口部の増齢に伴う縮小は歯根吸収による影響があると示唆された。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.40.3_541 |