処置法の相違が乳臼歯の生理的歯根吸収過程に及ぼす影響の臨床観察
小児の乳歯の処置内容が当該乳歯の生理的歯根吸収(以下,歯根吸収とする。)過程,脱落時期,後継永久歯歯胚の石灰化過程および萌出時期を把握することを目的とし,大阪歯科大学附属病院小児歯科外来に来院した4,5,6歳時の下顎第一乳臼歯(以下,乳臼歯とする。)を対象として,診療録,石膏模型,エックス線写真(口内法およびパノラマ)を用い経年的に観察し調査した結果,以下のことが明らかとなった。 1.乳臼歯の歯根吸収時期には,感染根管治療後根管充填を施した乳臼歯(以下,感染根管治群とする。),麻酔抜髄根管充填を施した乳臼歯(以下,麻酔抜髄群とする。),生活歯髄切断を施した乳臼歯(以下,生活歯髄切断群とする。)...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2002/03/25, Vol.40(1), pp.1-9 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 小児の乳歯の処置内容が当該乳歯の生理的歯根吸収(以下,歯根吸収とする。)過程,脱落時期,後継永久歯歯胚の石灰化過程および萌出時期を把握することを目的とし,大阪歯科大学附属病院小児歯科外来に来院した4,5,6歳時の下顎第一乳臼歯(以下,乳臼歯とする。)を対象として,診療録,石膏模型,エックス線写真(口内法およびパノラマ)を用い経年的に観察し調査した結果,以下のことが明らかとなった。 1.乳臼歯の歯根吸収時期には,感染根管治療後根管充填を施した乳臼歯(以下,感染根管治群とする。),麻酔抜髄根管充填を施した乳臼歯(以下,麻酔抜髄群とする。),生活歯髄切断を施した乳臼歯(以下,生活歯髄切断群とする。),歯冠修復のみで歯髄除去療法を施していない乳臼歯(以下,歯冠修復群とする。),脱落まで何らの処置も施さなかった乳臼歯(以下,無処置群とする。)の順に平均年齢が低かった。 2.乳臼歯の脱落時期に関しても,歯根吸収状態と同様の順であった。 3.下顎第一小臼歯(以下,後継永久歯とする。)歯胚の石灰化過程に関しては,各処置群において差は認められなかったが,感染根管治療直後と乳臼歯抜歯直後に石灰化度が一時的に増加した。 4.後継永久歯の萌出時期は,歯根吸収状態と同様の傾向が認められたが,低年齢時抜歯群の場合では萌出時期は少し遅くなり,高年齢時抜歯群の場合では少し早かった。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.40.1_1 |