小児の反対咬合における顎顔面形態分析の検討: Wits分析の有効性

Wits分析は上下顎歯槽基底部の水平的位置関係の評価としてANBの補助として用いられている.低年齢においても上下顎歯槽基底部の前後的な位置を把握するのにWits分析は有効な分析法の一つと考えられる.日本大学歯学部附属歯科病院小児歯科に来院した反対咬合を有する乳歯列期37名ならびに混合歯列期32名の側貌頭部エックス線規格写真を用い,乳歯列ならびに混合歯列における反対咬合の顔面形態の評価にWits分析を用いることの有効性を検討し,以下の結論を得た. 1.反対群および正常群のAO-BO値は,反対群は正常群に比べIIA,IIIAともに有意に大きい値を示した. 2.Wits分析と他の顎顔面形態分析との関...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2001/12/25, Vol.39(5), pp.1017-1024
Hauptverfasser: 小野寺, 妃枝子, 伊藤, みや子, 村田, 典子, 赤坂, 守人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:Wits分析は上下顎歯槽基底部の水平的位置関係の評価としてANBの補助として用いられている.低年齢においても上下顎歯槽基底部の前後的な位置を把握するのにWits分析は有効な分析法の一つと考えられる.日本大学歯学部附属歯科病院小児歯科に来院した反対咬合を有する乳歯列期37名ならびに混合歯列期32名の側貌頭部エックス線規格写真を用い,乳歯列ならびに混合歯列における反対咬合の顔面形態の評価にWits分析を用いることの有効性を検討し,以下の結論を得た. 1.反対群および正常群のAO-BO値は,反対群は正常群に比べIIA,IIIAともに有意に大きい値を示した. 2.Wits分析と他の顎顔面形態分析との関係において,Wits分析とANBの関係は反対群と正常群のIIA,IIIAのいずれにおいても有意な正の相関を示した.Wits分析とSN to occlusal plane angle,cant of occlusalplaneの関係は反対群と正常群のIIA,IIIAのいずれにおいても有意な相関は示さなかった.以上のことから,Wits分析は乳歯列および混合歯列期の反対咬合の上下顎歯槽基底部の前後的位置の評価する分析法としてANB分析の補助として有効であることが示唆された.
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.39.5_1017