P-14 小児の反対咬合児における顎顔面形態分析の検討 ―Wits分析の有効性について

「緒言」:従来, 顎顔面骨格系の診断および処置効果の評価として, 上下顎歯槽基底部の前後的位置の調和の指標に, SN平面を基準にしたSNAとSNBの差であるANBが用いられてきた. しかし, ANB分析には欠点があるとされ, Jacobsonはこれを補うため, Wits appraisalを提案した. 小児の顎顔面形態の分析にあたり, 成長予測およびfacial patternの判定が可能であることから, Ricketts分析が用いられており, 反対咬合のfacial patternはmesio facial typeが多く, 正常咬合と大きな差が認められないことから, 主に脳頭蓋を基準平面と...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2001, Vol.39 (3), p.756-756
Hauptverfasser: 小野寺妃枝子, 加藤めぐみ, 村上未央, 村田典子, 中島一郎, 赤坂守人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「緒言」:従来, 顎顔面骨格系の診断および処置効果の評価として, 上下顎歯槽基底部の前後的位置の調和の指標に, SN平面を基準にしたSNAとSNBの差であるANBが用いられてきた. しかし, ANB分析には欠点があるとされ, Jacobsonはこれを補うため, Wits appraisalを提案した. 小児の顎顔面形態の分析にあたり, 成長予測およびfacial patternの判定が可能であることから, Ricketts分析が用いられており, 反対咬合のfacial patternはmesio facial typeが多く, 正常咬合と大きな差が認められないことから, 主に脳頭蓋を基準平面とした分析項目を用いるだけでは, 上下顎の歯槽基底部の前後的な位置を十分把握することは困難と考えられる. そこで演者らは, 低年齢の正常咬合児と反対咬合児のWits分析を用いその有効性について検討したので報告する. 「資料および方法」:資料は日本大学歯科病院小児歯科に来院した乳歯列期正常咬合児40名と反対咬合児37名および混合歯列前期正常咬合児47名と反対咬合児32名の側貌頭部エックス線規格写真で, 計測はWits分析, Steiner分析およびNorthwestern分析を用いた. 「結果および考察」:本研究の結果から, 乳歯列期, 混合歯列前期ともに反対咬合児は正常咬合児に比べマイナスの大きい値を示したことから, 低年齢の患者に対する上下顎の前後的位置の把握に有効であることがわかった. Wits分析とANBとの比較検討の結果, 正常咬合児, 反対咬合児ともに有意な正の相関を示した. よって, ANBとは異なった上下顎歯槽基底部の前後的評価を示すものであり, ANBの補助となることが明らかとなった.
ISSN:0583-1199