小児におけるガム咀嚼運動のサイクル分割方法に関する研究

咀嚼は最も重要な下顎機能のひとつであることから,これを下顎運動の側面から解析した報告は枚挙に暇がなく,その多くは一連の運動からサイクルを抽出し,そのサイクルを解析の対象としている。しかしこの抽出方法は解析結果を大きく左右するにもかかわらず,その客観的方法についての報告は少なく,乳歯列期小児に関するものは見当たらない。そこで本研究では,乳歯列を有する小児9名の下顎切歯点におけるガム咀嚼運動を対象としサイクルへの分割方法について検討した。まず,1)各サイクルの分割点の条件を,下顎運動に対する補正方法,最小サイクル時間の設定の2つを組み合わせることにより検索した。次に,2)求められた終末位および終末...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2000/12/25, Vol.38(5), pp.1025-1033
Hauptverfasser: 岩瀬, 陽子, 早崎, 治明, 中田, 志保, 中田, 稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:咀嚼は最も重要な下顎機能のひとつであることから,これを下顎運動の側面から解析した報告は枚挙に暇がなく,その多くは一連の運動からサイクルを抽出し,そのサイクルを解析の対象としている。しかしこの抽出方法は解析結果を大きく左右するにもかかわらず,その客観的方法についての報告は少なく,乳歯列期小児に関するものは見当たらない。そこで本研究では,乳歯列を有する小児9名の下顎切歯点におけるガム咀嚼運動を対象としサイクルへの分割方法について検討した。まず,1)各サイクルの分割点の条件を,下顎運動に対する補正方法,最小サイクル時間の設定の2つを組み合わせることにより検索した。次に,2)求められた終末位および終末位間の最大開口位が妥当であるかを検討した。この2つのステップで咀嚼運動から抽出されたサイクル数を,あらかじめ視覚的に認識されたサイクル数と比較した。また,成人女性27名にも同様の解析を行い,小児との相異について検討した。 その結果, 1)小児では下顎運動の補正方法と最小サイクル時間の条件を適切に設定することにより,99%以上のガム咀嚼運動終末位を自動認識することができた。 2)成人についても同様の自動認識が可能であったが,その条件は小児と成人では異なっていた。 3)咀嚼運動終末位の条件と終末位間の最大開口位の条件を組み合わせることにより,咀嚼運動からサイクルとみなされない運動を除外することができた。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.38.5_1025