14 小児用身体固定装置の試作
障害児の歯科治療では, 体動をコントロールするためにバスタオルや抑制帯, レストレイナー(TM)などの器具が必要となることがある. 我々はレストレイナーの欠点を改良するだけでなく, 脳性麻痺児の原始反射や不随意運動を抑制するために小児を反射抑制姿勢に固定できる装置を当センター機能訓練室の内田稔氏と協力して試作した. 装置は, レストレイナーのようなボードと肩甲帯と上肢と下肢の3か所を固定する部分からなっている. 肩甲帯の固定具は, ボードに固定した皮革製の背面版と胸あての間を左右の肩と腋から4本のマジックベルトで連結する構造になっている. 上肢用固定具は上肢用ギブスを半切したものに腕を入れてベ...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2000, Vol.38 (3), p.705-705 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 障害児の歯科治療では, 体動をコントロールするためにバスタオルや抑制帯, レストレイナー(TM)などの器具が必要となることがある. 我々はレストレイナーの欠点を改良するだけでなく, 脳性麻痺児の原始反射や不随意運動を抑制するために小児を反射抑制姿勢に固定できる装置を当センター機能訓練室の内田稔氏と協力して試作した. 装置は, レストレイナーのようなボードと肩甲帯と上肢と下肢の3か所を固定する部分からなっている. 肩甲帯の固定具は, ボードに固定した皮革製の背面版と胸あての間を左右の肩と腋から4本のマジックベルトで連結する構造になっている. 上肢用固定具は上肢用ギブスを半切したものに腕を入れてベルトで固定するようになっている. 下肢用固定具は膝関節を屈曲させる三角マット状の部分に足をのせ大腿部と下腿部の2か所をベルトで固定する構造になっている. この装置の利点として, レストレイナーのようにネットの張力で小児を圧迫しないので呼吸しやすい, 脳性麻痺の患者を反射抑制姿勢にできる, 身体の位置が上下的に規定され治療中潜りこむことがない, ネットで小児の爪を引っかける恐れがない, 必要があれば静脈を確保できる, 通気性に優れている, チェアーに特別な改造が不要ことがあげられた. 欠点としては, 見た目が大げさなのでこの装置の利点を保護者に十分説明し納得してもらう必要がある, 固定の仕方がレストレイナーより複雑なので使用に慣れが必要, 小児の身体に合わせて違うサイズのものを使用する必要があることがあげられた. この試作小児用身体固定装置は脳性麻痺児だけでなく知的障害児の治療にも有効であった. |
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ISSN: | 0583-1199 |