2 齲蝕予防指導を実施した保護者に対するアンケート調査

私たちの歯科医院では, 平成9年1月よりサリバテストを導入し, 平成11年6月までに約1500名の検査と指導を行った. サリバテストは患者にとっては初めての検査で, 患者がその有効性について十分理解してから希望したとは限らない. そこで実際に指導を受けられた患者の保護者が, 検査や指導に対してどのような感想を持っているのか, また検査や指導を行っていくにあたってどのような点について改善していったらよいのかを知るためにアンケート調査を行った. 調査は平成9年1月から平成10年12月までにサリバテストを実施した3歳～15歳までの1078名に行い534名より回答を得た. 予防指導の内容がよく理解できた. 理解できたは90%, むし歯予防に対する意識や注意がとても変わった, 変わったは63%であった. 具体的にどのようなことに変化があったかの質問では, フッ素を積極的に使用するようになった33.7%, アメやガムなどの嗜好品はキシリトールやシュガーレスの製品を選ぶようになった26.2%, 歯磨きをしっかり行うようになった25.3%, 飲食回数や甘いものが少なくなった9.3%であった. また, むし歯予防に対する意識や注意が変わらないと答えた患者は7名であった. 予防指導を受けてとてもよかった, よかったは89%, 歯科衛生士の説明が非常に解りやすかった, 解りやすかったは99%, 指導時間は適当だと思うが67.2%, 唾液検査, 予防指導の料金は適当だと思うが44.4%, 高いと思うが52.8%であった. 家族にむし歯予防の問題について詳しく話したが15.9%, 簡単に話したが73.4%, 家族の理解協力が得られたが32.6%, 少し得られたが47.0%であった. また, 回答のハガキの中に患者からの多くの希望, 意見があった. 私たちが心配したよりも保護者の方々に予防指導が受け入れられているように思われた.