複数の部位に認められた埋伏歯の1例

著者らは,13歳8か月の男子で複数の部位に埋伏歯を認め,さらに上顎右側第2乳臼歯と第2小臼歯の位置の逆転を認めた非常に稀な症例に遭遇した。 1.エックス線所見より,上顎左側犬歯の埋伏,下顎両側小臼歯部に過剰歯および,上顎右側第2乳臼歯と第2小臼歯の位置の逆転,埋伏,ならびに上顎右側第2小臼歯の遠心に過剰歯が認められた。 2.上顎右側第1小臼歯,第1大臼歯間の近心側に位置した歯牙様物は,組織学的検討を行った結果,遠心側の過剰歯によって歯の形成が阻害され,顎骨内に埋伏した上顎右側第2小臼歯と考えられた。 3.右側上顎洞相当部に存在した歯牙様物は,組織学的検討を行った結果,発生の過程において上顎第2...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2000/03/25, Vol.38(1), pp.242-248
Hauptverfasser: 宮崎, 修一, 久保山, 博子, 豊村, 純弘, 劉, 中憲, 石田, 万喜子, 本川, 渉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:著者らは,13歳8か月の男子で複数の部位に埋伏歯を認め,さらに上顎右側第2乳臼歯と第2小臼歯の位置の逆転を認めた非常に稀な症例に遭遇した。 1.エックス線所見より,上顎左側犬歯の埋伏,下顎両側小臼歯部に過剰歯および,上顎右側第2乳臼歯と第2小臼歯の位置の逆転,埋伏,ならびに上顎右側第2小臼歯の遠心に過剰歯が認められた。 2.上顎右側第1小臼歯,第1大臼歯間の近心側に位置した歯牙様物は,組織学的検討を行った結果,遠心側の過剰歯によって歯の形成が阻害され,顎骨内に埋伏した上顎右側第2小臼歯と考えられた。 3.右側上顎洞相当部に存在した歯牙様物は,組織学的検討を行った結果,発生の過程において上顎第2小臼歯の原基と上顎第2乳臼歯の原基とが入れかわったまま残留し,上顎洞付近に埋伏した上顎第2乳臼歯と判断した。 4.過剰歯が,下顎小臼歯部に左右対称性に,また上顎小臼歯部に片側性に存在したのは比較的稀と考えられた。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.38.1_242