小児の口腔線維性病変
1979年から1998年の19年間に,新潟大学歯学部附属病院小児歯科において治療した口腔軟組織の良性限局性線維性組織病変22症例について,臨床病理学的に検討し次の結果を得た。 1.性別症例数は,男児9例,女児13例で,年齢は8か月から11歳4か月に分布し,1歳以下の乳児の症例が3例あった。 2.発生部位は,歯肉が16例と多く,次いで口蓋4例,頬粘膜2例で,病理診断は,歯肉症例は線維性エプーリス,口蓋と頬粘膜症例は線維性過形成あるいは線維上皮性過形成であった。 3.線維性エプーリス16症例は,上顎10例,下顎6例で,16例中15例が前歯部にみられた。病理組織像は,粘膜下の結合組織に膠原線維の密な...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2000/03/25, Vol.38(1), pp.218-224 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1979年から1998年の19年間に,新潟大学歯学部附属病院小児歯科において治療した口腔軟組織の良性限局性線維性組織病変22症例について,臨床病理学的に検討し次の結果を得た。 1.性別症例数は,男児9例,女児13例で,年齢は8か月から11歳4か月に分布し,1歳以下の乳児の症例が3例あった。 2.発生部位は,歯肉が16例と多く,次いで口蓋4例,頬粘膜2例で,病理診断は,歯肉症例は線維性エプーリス,口蓋と頬粘膜症例は線維性過形成あるいは線維上皮性過形成であった。 3.線維性エプーリス16症例は,上顎10例,下顎6例で,16例中15例が前歯部にみられた。病理組織像は,粘膜下の結合組織に膠原線維の密な増生がみられた。 4.口蓋症例の4例中3例は,切歯乳頭に接して,ほぼ同部位にみられたが,切歯管との連続性はなかった。 5.治療は,全例摘出術が行われ,再発症例はなかった。 6.小児の口腔軟組織における線維性病変では,線維性エプーリスの頻度が高いと思われた。 7.頬粘膜症例は,粘液嚢胞と臨床的に診断されており,摘出物の病理組織検査は,確定診断を得るために重要である。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.38.1_218 |