生体親和性材料コラーゲンの象牙質への応用について: レジンモノマー浸透性への影響

前報では生体親和性材料コラーゲンの応用によって象牙細管内液の浸出抑制が可能であることを報告した。本研究では,象牙質にコラーゲン処理を行う場合の,処理時間による象牙質透過性の抑制効果への影響,接着性レジンの浸透性および象牙質接着性への影響などについて検討した。前報と同様の方法で,コラーゲン処理の時間を30 ,60,180,300秒とした場合の象牙質透過性を測定し,抑制効果を判定した。次に,レジンー象牙質接着界面に形成されるハイブリッド層をSEMで観察し,コラーゲン処理の有無別に比較した。またコラーゲン処理の有無別にレジンー象牙質問の剪断接着試験を行った。接着システムには,Superbond D-...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2000/03/25, Vol.38(1), pp.188-200
Hauptverfasser: 柏原, 陽子, 福本, 敏, 細矢, 由美子, 後藤, 讓治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:前報では生体親和性材料コラーゲンの応用によって象牙細管内液の浸出抑制が可能であることを報告した。本研究では,象牙質にコラーゲン処理を行う場合の,処理時間による象牙質透過性の抑制効果への影響,接着性レジンの浸透性および象牙質接着性への影響などについて検討した。前報と同様の方法で,コラーゲン処理の時間を30 ,60,180,300秒とした場合の象牙質透過性を測定し,抑制効果を判定した。次に,レジンー象牙質接着界面に形成されるハイブリッド層をSEMで観察し,コラーゲン処理の有無別に比較した。またコラーゲン処理の有無別にレジンー象牙質問の剪断接着試験を行った。接着システムには,Superbond D-Liner II®およびAll Bond 2®を用いた。その結果,以下の知見が得られた。 1.コラーゲン処理によって象牙質透過性を抑制するためには,処理時間は60秒間で十分であり,処理時間を延長してもそれ以上抑制効果は向上しなかった。 2.ハイブリッド層は,いずれの接着システムを用いた場合でも,コラーゲン処理した象牙質の方が有意に厚く,コラーゲン処理は,接着性レジンの浸透を阻害しないことがわかった。 3.剪断接着試験の結果,いずれの接着システムを用いた場合でも,象牙質に対する接着強さはコラーゲン処理の有無によって統計学的有意差を示さず,コラーゲン処理は,象牙質接着性に対して有意な影響を及ぼさないことがわかった。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.38.1_188