金属性ブラケット撤去に対する炭酸ガスレーザーの応用について

機械的なブラケット撤去によるエナメル質の損傷や撤去時の衝撃による患者の不快感などを減弱させる目的で,炭酸ガスレーザーを応用した金属製ブラケットの撤去法を検討し,以下の結論を得た。 1.エナメル質に直接レーザーが照射されても表面構造に変化を認めず,かつ,効果的にブラケット撤去が可能であった照射条件は,ノーマルパルスで,出力2W,パルス幅20msec,繰り返し率20ppsで,4秒間同一部位への照射であった。 2.適切な照射条件により,ブラケット撤去を行った歯の観察では,接着剤がレーザーの熱により軟化されていたが,ブラケットベース周囲のエナメル質には,変化が認められなかった。 3.炭酸ガスレーザーを...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1999/12/25, Vol.37(5), pp.973-980
Hauptverfasser: 進士, 久明, 檜山, 雄彦, 松原, 聡, 小澤, 伸也, 内村, 登
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:機械的なブラケット撤去によるエナメル質の損傷や撤去時の衝撃による患者の不快感などを減弱させる目的で,炭酸ガスレーザーを応用した金属製ブラケットの撤去法を検討し,以下の結論を得た。 1.エナメル質に直接レーザーが照射されても表面構造に変化を認めず,かつ,効果的にブラケット撤去が可能であった照射条件は,ノーマルパルスで,出力2W,パルス幅20msec,繰り返し率20ppsで,4秒間同一部位への照射であった。 2.適切な照射条件により,ブラケット撤去を行った歯の観察では,接着剤がレーザーの熱により軟化されていたが,ブラケットベース周囲のエナメル質には,変化が認められなかった。 3.炭酸ガスレーザーを応用してブラケットの撤去を行った歯の歯髄組織への影響を検討した結果,歯髄には著明な変化が認められなかった。 以上より,炭酸ガスレーザーを応用したブラケット撤去は,エナメル質に対して安全であり,患者への衝撃も少なく有効なブラケット撤去法であることが示唆された。しかし,レーザー光が金属に照射された場合には,反射するという性質があるため,照射位置や角度を考慮に入れ,周辺組織の安全性を確保し,ブラケット撤去を行う必要がある。また,歯面とブラケット間の接着剤へ適切に照射されない場合は,かなりの撤去時間を要するなど未だ改良しなければならない点が存在した。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.37.5_973