混合歯列期の上顎切歯部叢生症例における有効歯列弓長の検討

混合歯列期の上顎切歯部叢生20症例から得られた初診時歯列模型を資料として,永久歯列初期での上顎歯列弓配列の可能性を量的に予測するために空隙分析を行い,術後の配列結果との関連を検討した。必要歯列弓長の算出には小野の回帰方程式を用い,上顎切歯部叢生が緩和された状態を想定した有効歯列弓長の計測には,従来の切歯部と側方歯部を直線的に合算するセグメント法と今回提案したプリフォームドワイヤー法を用いた。 必要歯列弓長の予測値と永久歯列初期での実測値との差はごく僅かで,臨床的に十分許容範囲であった。結果的に上顎歯列弓を配列しえた症例でも,セグメント法による空隙分析の結果,片側で2,3mmマイナスのものが多数...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1999/09/25, Vol.37(4), pp.726-733
Hauptverfasser: 石川, 雅章, 山田, 恵理, 佐藤, 大樹, 桔梗, 知明, 舩山, 研司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:混合歯列期の上顎切歯部叢生20症例から得られた初診時歯列模型を資料として,永久歯列初期での上顎歯列弓配列の可能性を量的に予測するために空隙分析を行い,術後の配列結果との関連を検討した。必要歯列弓長の算出には小野の回帰方程式を用い,上顎切歯部叢生が緩和された状態を想定した有効歯列弓長の計測には,従来の切歯部と側方歯部を直線的に合算するセグメント法と今回提案したプリフォームドワイヤー法を用いた。 必要歯列弓長の予測値と永久歯列初期での実測値との差はごく僅かで,臨床的に十分許容範囲であった。結果的に上顎歯列弓を配列しえた症例でも,セグメント法による空隙分析の結果,片側で2,3mmマイナスのものが多数みられた。一方,プリフォームドワイヤー法での分析は,概ね治療後の上顎歯列弓配列結果を反映していた。 術前の上顎歯列弓形態の歪みが比較的僅かな症例では,有効歯列弓長算出における両法の差が少なく,V字型などの形態をとる場合,両法の差が大きい傾向となった。従来のセグメント法は,その結果を直接治療計画に適用するには慎重となるべきであり,プリフォームドワイヤー法は,多少改善の余地があるものの,上顎切歯部叢生症例における空隙分析に応用しうると思われた。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.37.4_726