2 保護者の口腔健康観に関する調査

子供の齲蝕発生に対する保護者の養育態度の影響を検討するために, 保護者自身の口腔衛生観と子供に対する口腔衛生観の調査を行った. 対象と方法:岡山県内の3歳から6歳の幼稚園・保育園児244人を対象に, 口腔内検診, カリオスタット試験(以下CAT)および保護者の口腔健康観に関するアンケート調査を実施した. アンケートは, 保護者自身の口腔健康観, 歯科受診の動機, 子供の口腔に対する健康観等を尋ねる12問で構成されている. 分析は, 各項目の解答パターンと子供の口腔内状態(CAT, dmf, 齲蝕重症度指数-以下CSI)との関係を比較検討した. 結果および考察 1. 本対象の一人平均dmf歯数は...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1999, Vol.37 (1), p.232-232
Hauptverfasser: 平野慶子, 壼内智郎, 山本誠二, 三宅香, 尾形小霧, 岡崎好秀, 下野勉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:子供の齲蝕発生に対する保護者の養育態度の影響を検討するために, 保護者自身の口腔衛生観と子供に対する口腔衛生観の調査を行った. 対象と方法:岡山県内の3歳から6歳の幼稚園・保育園児244人を対象に, 口腔内検診, カリオスタット試験(以下CAT)および保護者の口腔健康観に関するアンケート調査を実施した. アンケートは, 保護者自身の口腔健康観, 歯科受診の動機, 子供の口腔に対する健康観等を尋ねる12問で構成されている. 分析は, 各項目の解答パターンと子供の口腔内状態(CAT, dmf, 齲蝕重症度指数-以下CSI)との関係を比較検討した. 結果および考察 1. 本対象の一人平均dmf歯数は3.7本, 齲蝕罹患者率は61.6%であった. CATは2.0以上をハイリスクとした時, その割合は54%であった. 2. 保護者自身の口腔健康観ではその関心の高低群で比較すると子供のCAT値の高低, 齲蝕罹患者率, CSIにおいては統計的には有意な差を認めなかった. しかし, アンケートの回答分布においては, 子供の口腔健康に関心が強い, 乳歯の虫歯でも積極的に予防するべきだ, 仕上げ磨きが面倒でない, 寝る前に仕上げ磨きをしている, などの歯科的に好ましい回答が有意に多かった. 3. また保護者の子供に対する口腔健康の高低群で比較すると, 子供のCAT値の高低, CSIにおいて有意な差を認めた. このことより, 低年齢時の齲蝕予防には保護者の口腔衛生観の向上も重要な要因であることが示唆された.
ISSN:0583-1199