6 炭酸ガスレーザーの硬組織への応用

目的:レーザー照射による象牙質への影響として象牙細管の閉塞が挙げられているが, 幼若歯の修復処置における歯髄への外来刺激を遮断する目的で, 裏層材に代わる処置として炭酸ガスレーザー照射の臨床応用を検討し, 基礎的研究を行った. 材料および方法:実験1至適照射条件の検討 矯正治療を理由に便宜抜去された幼若小臼歯の歯冠部象牙質を試料とした. レーザー装置は炭酸ガスレーザーLUXAR社製LX-20 SP NOVAPULSEを用いた. 照射条件は出力2W, Normal Pulse(以下N. P.)では10~100ms・2~20pps, Super Pulse(以下S. P.)では10~15ms・2~...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1999, Vol.37 (1), p.220-220
Hauptverfasser: 川端明美, 近藤靖子, 川端宏之, 岩崎浩, 宮沢裕夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:レーザー照射による象牙質への影響として象牙細管の閉塞が挙げられているが, 幼若歯の修復処置における歯髄への外来刺激を遮断する目的で, 裏層材に代わる処置として炭酸ガスレーザー照射の臨床応用を検討し, 基礎的研究を行った. 材料および方法:実験1至適照射条件の検討 矯正治療を理由に便宜抜去された幼若小臼歯の歯冠部象牙質を試料とした. レーザー装置は炭酸ガスレーザーLUXAR社製LX-20 SP NOVAPULSEを用いた. 照射条件は出力2W, Normal Pulse(以下N. P.)では10~100ms・2~20pps, Super Pulse(以下S. P.)では10~15ms・2~30ppsでφ0.8mmのセラミックチップを用いて照射した. 観察は照射面, 縦断面を走査型電子顕微鏡でおこなった. さらに, 色素浸透試験で細管の閉塞状態を実体顕微鏡で観察した. 実験2 熱影響の検討 実験1で得られた照射条件で試料に照射し, レーザーを照射する前, 照射している間, 照射後の温度変化を熱電対で測定し, 接続したレコーダで記録した. 実験3 病理組織学的検討 4週令Wistar系雄ラットに, チオペンタールナトリウムを腹腔内注射し全身麻酔を施した後, 下顎臼歯咬合面にレーザー照射をおこなった. 観察期間は7日, 30日と設定した. 結果および考察:1. N. P. 照射, S. P. 照射ともに象牙細管の閉塞は可能であった. 2. S. P. 照射では上昇温度値が5℃未満であった. 3. 病理組織学的観察では照射7日後において歯冠部歯髄に出血が軽度にみられ, 一部に象牙芽細胞の配列の乱れが認められたが, 照射30日後では著明な変化は認められなかった. 炭酸ガスレーザーは至適照射条件において幼若歯の修復処置における歯髄への外来刺激を遮断し裏層材に代わる処置として臨床応用可能であることが示唆された.
ISSN:0583-1199