発達検査による小児の歯科治療への適応予測

低年齢児の歯科治療への適応性を予測する方法を確立するために,日常臨床でも応用が可能な発達検査のなかから有用な検査項目を検索した。対象は,松本歯科大学病院特殊診療科,和田村国保歯科診療所および伊那市開業医を受診した小児125名で,平均年齢は4歳1か月±1歳6か月(女児58名,男児67名)であった。方法は,歯科手技シミュレーションを行い,その際の対象児の外部行動と,遠城寺式乳幼児分析的発達検査のそれぞれの検査項目との関連性を赤池情報量規準(AIC)に基づき分析した。 結果は以下のとおりであった。 1.遠城寺式乳幼児分析的発達検査のそれぞれの検査項目は,AICの値がすべて負を示し,歯科治療への適応と...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1998/12/25, Vol.36(5), pp.746-750
Hauptverfasser: 穂坂, 一夫, 小笠原, 正, 塚田, 久美子, 太田, 慎吾, 高井, 経之, 野村, 圭子, 小山, 隆男, 平出, 吉範, 渡辺, 達夫, 笠原, 浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:低年齢児の歯科治療への適応性を予測する方法を確立するために,日常臨床でも応用が可能な発達検査のなかから有用な検査項目を検索した。対象は,松本歯科大学病院特殊診療科,和田村国保歯科診療所および伊那市開業医を受診した小児125名で,平均年齢は4歳1か月±1歳6か月(女児58名,男児67名)であった。方法は,歯科手技シミュレーションを行い,その際の対象児の外部行動と,遠城寺式乳幼児分析的発達検査のそれぞれの検査項目との関連性を赤池情報量規準(AIC)に基づき分析した。 結果は以下のとおりであった。 1.遠城寺式乳幼児分析的発達検査のそれぞれの検査項目は,AICの値がすべて負を示し,歯科治療への適応と関連性が認められた。 2.最も強い関連性が認められた検査項目は手の運動の「ボタンをはめる」であった。以上により,検査項目「ボタンをはめる」は小児の歯科治療への適応状態の予測として有用であると考えられた。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.36.5_746