7 私たちの診療室におけるカリエスリスク検査導入までの経過について
齲蝕も歯周病も個人的リスクに大きく左右される疾患であるので, 個人のリスクを検査し, リスクに対応した予防プログラムを作製し指導出来れば, 齲蝕予防効果を上げることは可能であると考える. そこで私たちは, カリエスリスク検査を中心とした予防システムを検討している. カリエスリスク検査法とし, 私たちは, 北欧で開発され, 今では世界の多くの国で実施されている唾液検査法(サリバテスト)を使用した. この検査法は, ミュータンス菌の数, ラクトバチラス菌の数, 唾液の緩衝能, 唾液の質と量, 飲食の回数, プラークの蓄積量, フッ素の使用状況, 齲蝕の経験の8項目を検査し, レーダーチャートに表示...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1998, Vol.36 (1), p.183-183 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 齲蝕も歯周病も個人的リスクに大きく左右される疾患であるので, 個人のリスクを検査し, リスクに対応した予防プログラムを作製し指導出来れば, 齲蝕予防効果を上げることは可能であると考える. そこで私たちは, カリエスリスク検査を中心とした予防システムを検討している. カリエスリスク検査法とし, 私たちは, 北欧で開発され, 今では世界の多くの国で実施されている唾液検査法(サリバテスト)を使用した. この検査法は, ミュータンス菌の数, ラクトバチラス菌の数, 唾液の緩衝能, 唾液の質と量, 飲食の回数, プラークの蓄積量, フッ素の使用状況, 齲蝕の経験の8項目を検査し, レーダーチャートに表示し, 改善する目標と方法を患者や保護者に示すことができる. 平成9年1月より指導を開始するため, 診療室の一部を改装して新しく予防指導コーナーを設置し指導を開始した. 患者の指導にあたって, 資料の整理や保存などの事務的な仕事を容易に行い, また患者にも簡単に画像を使用して指導が行えるようにするため, コンピューターによるデーター管理を導入した. データー管理のソフトは, モリタ画像処理システム“アドビス”を使用した. コンピューターへの資料の取込は, エプソン9500スキャナー, フジのデジタルフォトビジョンFV-10D, ニコンデジタルカメラE2Nを使用した. 平成9年1月より7月までに約80名の患者のカリエスリスク検査と指導を行った. 指導した年齢は3歳から22歳までで, 6歳児と8歳児が14名と最も多かった. 実際に指導を行った感想として, カリエスリスク検査が, 私たちの臨床で齲蝕予防, 齲蝕治療, 定期診査を実施していくうえで大切な情報を多く与えてくれることが解った. 今後私たちは, 診療システムを見直し, カリエスリスク検査が出来るだけ多くの患者に実施出来るようにしていきたいと考えている. |
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ISSN: | 0583-1199 |