乳幼児の口腔にかかわる健康調査: 3歳児における食行動と齲蝕との関連
幼児の食べ方と齲蝕罹患との関連を知る目的で,保健所の歯科相談室に来所した乳歯列完成期の健常な3歳児667名とその保護者を対象に調査を行った。調査内容は齲蝕を中心にした口腔内診査と食行動に関する保護者へのアンケートである。調査結果を基に,齲蝕経験歯数と齲蝕罹患型および食行動6項目(食事への意欲,遊び食べ,咀嚼状態,丸のみ,吸啜様のチュチュ食べ,口腔内への食物の貯留)について検討し,以下の結果を得た。 1)齲蝕罹患者率は52.5%であり,罹患部位は臼歯部のみに齲歯がある者の割合が多い傾向にあった。 2)食行動の6項目のうち,丸のみとチュチュ食べがみられると回答した者は他の4項目に比べ少ない傾向にあ...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1996/06/25, Vol.34(3), pp.664-672 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 幼児の食べ方と齲蝕罹患との関連を知る目的で,保健所の歯科相談室に来所した乳歯列完成期の健常な3歳児667名とその保護者を対象に調査を行った。調査内容は齲蝕を中心にした口腔内診査と食行動に関する保護者へのアンケートである。調査結果を基に,齲蝕経験歯数と齲蝕罹患型および食行動6項目(食事への意欲,遊び食べ,咀嚼状態,丸のみ,吸啜様のチュチュ食べ,口腔内への食物の貯留)について検討し,以下の結果を得た。 1)齲蝕罹患者率は52.5%であり,罹患部位は臼歯部のみに齲歯がある者の割合が多い傾向にあった。 2)食行動の6項目のうち,丸のみとチュチュ食べがみられると回答した者は他の4項目に比べ少ない傾向にあった。 3)齲蝕罹患型と口腔内への食物の貯留の有無との間に有意な関連性がみられた。また,貯留のよくある者は広範性の齲蝕に罹患している者が多い傾向にあった。 4)df-歯数と食行動との関連において,食物の貯留がよくあると回答した者は,df-歯数7歯以上の者の割合が高く,一人平均df-歯数も,時々貯留がある者やほとんど貯留がない者に比べて有意に高かった。 5)食物の貯留の有無を除く他の5項目の食行動と齲蝕罹患型およびdf-歯数との間には有意な関連性は認められなかった。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.34.3_664 |