機能的反対咬合を有する小児における咀嚼筋活動の特徴
機能的反対咬合が咀嚼筋活動にどのような影響を及ぼしているのか検討する目的で,混合歯列期で機能的反対咬合を有する小児19名(前歯反対咬合8名,片側反対咬合11名)と,対照群として同期の個性正常咬合を有する小児10名を用い,咀嚼運動時の咀嚼筋活動の比較を行い,以下の結論を得た。 1)咀嚼時の総筋活動量に占める各筋の割合について検討した結果,機能的反対咬合を有する小児では,対照群に比べ異なった筋活動パターンを示した。 2)対照群では側頭筋,咬筋ともに作業側が平衡側に比較し大きい筋活動量を示したのに対し,前歯反対咬合群では,側頭筋,咬筋ともに作業側と平衡側とで筋活動量に差はみられなかった。 3)片側反...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1996/06/25, Vol.34(3), pp.641-649 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 機能的反対咬合が咀嚼筋活動にどのような影響を及ぼしているのか検討する目的で,混合歯列期で機能的反対咬合を有する小児19名(前歯反対咬合8名,片側反対咬合11名)と,対照群として同期の個性正常咬合を有する小児10名を用い,咀嚼運動時の咀嚼筋活動の比較を行い,以下の結論を得た。 1)咀嚼時の総筋活動量に占める各筋の割合について検討した結果,機能的反対咬合を有する小児では,対照群に比べ異なった筋活動パターンを示した。 2)対照群では側頭筋,咬筋ともに作業側が平衡側に比較し大きい筋活動量を示したのに対し,前歯反対咬合群では,側頭筋,咬筋ともに作業側と平衡側とで筋活動量に差はみられなかった。 3)片側反対咬合群では,患側と非患側咀嚼で,咀嚼筋活動に差がみられた。特に側頭筋において,患側咀嚼では作業側が大きい活動を示したのに対し,非患側咀嚼では平衡側が大きい活動を示した。 4)咀嚼筋活動を二つの活動パターンに分類し評価した結果,片側反対咬合群における患側咀嚼ではより対照群に近い筋活動パターンを示したのに対し,前歯反対咬合群および片側反対咬合群の非患側咀嚼では,対照群の咀嚼パターンとは異なるパターンを示すものが多くみられた。 以上の結果より,機能的反対咬合を有する小児でも,反対咬合の部位により筋活動パターンが異なること,また機能的反対咬合小児は咀嚼筋活動の機能的分化が障害されている可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.34.3_641 |