12 発達期の口腔保健における食生活指導に関する研究―2, 食欲の有無に影響する要因について
心身の健康を考える上で, 食生活に密接なつながりがあるのにも関わらず, 食欲がないという子を持つ母親からの相談の声は後を絶たない. そこで, 私達は第9回当学会において, 第1報―食欲の有無における食生活環境の相違について―を発表した. 第2報では, 食生活環境以外の子供をとりまく環境について調べ, 食欲の有無に関係の深いであろう要因について調査・研究を行った. <結果>第1報の資料より, 以下の項目について調査した. まず, 環境因子として 1. 家族構成(兄弟・祖父母の同居) 2. 母親の就労, 3. 在宅児か通園(所)児か, 4. 住居, 発育因子として 5. Kaup指数, 養育因子と...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1996, Vol.34 (1), p.304-305 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 心身の健康を考える上で, 食生活に密接なつながりがあるのにも関わらず, 食欲がないという子を持つ母親からの相談の声は後を絶たない. そこで, 私達は第9回当学会において, 第1報―食欲の有無における食生活環境の相違について―を発表した. 第2報では, 食生活環境以外の子供をとりまく環境について調べ, 食欲の有無に関係の深いであろう要因について調査・研究を行った. <結果>第1報の資料より, 以下の項目について調査した. まず, 環境因子として 1. 家族構成(兄弟・祖父母の同居) 2. 母親の就労, 3. 在宅児か通園(所)児か, 4. 住居, 発育因子として 5. Kaup指数, 養育因子として 6. 親からみた本人の発育環境, 性格因子として 7. 親からみた本人の性格, 以上7項目を食欲の有無により大別し検討した. 環境的因子では, 食欲ありで祖父母との同居・母親の就労がわずかに多い傾向にあった. 発育的因子のKaup指数では, 食欲の有無での差はほとんどなかった. 養育的因子では, 子を育てる際に「主に世話をした人」「なついている人」「甘やかした人」「厳しい人」のいずれも母親以外の人が関与している割合が食欲ありで高めであった. 食欲なしでは, 子に対する態度は「甘やかした」と答えながらも対する世話では「かまわなかった」とする者が若干だが多かった. 性格的因子では, 食欲なしで「おとなしい」「言いだしたらきかない」が食欲ありよりも上回っていたが, その差は明らかではなかった. <まとめ>第2報では, 食生活習慣以外に視点を置き調査・研究を行ったが, 第1報のように食欲の有無で大きな相違点が認められる項目はなかった. この結果から, 食欲にいちばん大きな影響を与える因子として考えられるのは子を取りまく環境であり, その改善こそが食べる意欲・食欲の増加につながるのではないだろうか. |
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ISSN: | 0583-1199 |