小児の下顎顆頭部三次元動態に関する研究: 下顎前方滑走運動時について
小児の下顎前方滑走運動時の下顎顆頭の三次元動態を明らかにするために,切歯点,左右下顎顆頭点について解析を行った. 被験者は,Hellmanの歯年齢IIA期の小児14名(男児4名,女児10名;平均年齢5歳11か月)と成人14名(男性7名,女性7名;平均年齢24歳2か月)である. 解析項目は,咬頭嵌合位を始点とし,切歯点の移動距離が0.5mmから5.0mmまでを,0.5mmごとに区切り,各移動距離ごとに各解析点の移動方向を矢状面への投影角として表した.また,下顎顆頭部において3回の前方滑走運動軌跡を矢状面,水平面および前頭面に投影し,各平面において最も外側の軌跡で囲まれる面積を算出し,3平面の合計...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1995/12/25, Vol.33(5), pp.985-994 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 小児の下顎前方滑走運動時の下顎顆頭の三次元動態を明らかにするために,切歯点,左右下顎顆頭点について解析を行った. 被験者は,Hellmanの歯年齢IIA期の小児14名(男児4名,女児10名;平均年齢5歳11か月)と成人14名(男性7名,女性7名;平均年齢24歳2か月)である. 解析項目は,咬頭嵌合位を始点とし,切歯点の移動距離が0.5mmから5.0mmまでを,0.5mmごとに区切り,各移動距離ごとに各解析点の移動方向を矢状面への投影角として表した.また,下顎顆頭部において3回の前方滑走運動軌跡を矢状面,水平面および前頭面に投影し,各平面において最も外側の軌跡で囲まれる面積を算出し,3平面の合計の面積が最も小さくなる点を求めた. その結果,Hellmanの歯年齢IIA群は,成人群に比較して切歯点および下顎顆頭点の矢状面投影角度が有意に小さく,下方への動きが少ない運動をしており,切歯点と下顎顆頭点の矢状面投影角度の差は,IIA群が成人群に比較して大きく,下顎の回転要素が多い傾向があった.下顎顆頭部における3回の前方滑走運動軌跡で囲まれる面積の各平面の合計が最小になる点では,IIA群は成人群に比較して,移動距離が小さいにもかかわらず各平面で大きい傾向があり,小児の顎関節が,成人に比較して可動性に富んでいることがうかがえた. |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.33.5_985 |