4 電動歯ブラシと手用歯ブラシによる全介助障害児の口腔清掃効果

目的:肢体不自由児施設, 岐阜県立希望が丘学園では, 理解力が乏しく, 歯磨きに非協力的な重度の精神発達遅滞を伴う入園児の比率が増加しており, このような全介助児に対し, より効果的な歯磨きを実現すると共に, 介助者の負担の軽減や, 介助者間の刷掃効果の差の減少, 更に刷掃時の小児への負担の程度を知る目的で検討を行った. 対象および方法:当園入園児のうち, 歯磨き全介助児男児10名, 女児9名の19名で, その病類分布は重度の精神発達遅滞を伴う脳性麻痺児11名, 精神運動発達遅滞児5名とその他の3名であり, 身体障害者障害程度等級では1級が12名で2級が7名であった. 刷掃は当日の夜勤の介助者...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1995, Vol.33 (1), p.223-223
Hauptverfasser: 辻甫, 青木浩子, 下郷恵, 本田真紀, 谷川良謙, 三輪晃成, 盧兆民
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:肢体不自由児施設, 岐阜県立希望が丘学園では, 理解力が乏しく, 歯磨きに非協力的な重度の精神発達遅滞を伴う入園児の比率が増加しており, このような全介助児に対し, より効果的な歯磨きを実現すると共に, 介助者の負担の軽減や, 介助者間の刷掃効果の差の減少, 更に刷掃時の小児への負担の程度を知る目的で検討を行った. 対象および方法:当園入園児のうち, 歯磨き全介助児男児10名, 女児9名の19名で, その病類分布は重度の精神発達遅滞を伴う脳性麻痺児11名, 精神運動発達遅滞児5名とその他の3名であり, 身体障害者障害程度等級では1級が12名で2級が7名であった. 刷掃は当日の夜勤の介助者が普段通りに夕食後の歯みがき時に4~5名の小児に対して行い, 手用歯ブラシ(ライオン歯科材株式会社製・Ex compact 11および12)と2種類の電動歯ブラシ(振動型のナショナル社製・パワー歯ブラシ, 回転型のボシュロムジャパン社製・インタープラーク)の刷掃効果を比較した. 歯ブラシ毎に3回づつ計9回, 手用歯ブラシはスクラッビング法で, 電動歯ブラシは通法に従い, 3分間歯みがきを行いその前後のDebris Indexを求め比較検討を行った. 小児の口腔清掃に対する反応を検討するため, 心拍数の変化および外部行動を記録した. さらに, 介助者にはアンケートを行い各歯ブラシの使い勝手等を調査した. 結果および考察:回転型の電動歯ブラシは歯垢除去効果が高いこと, 今回使用したタイプの振動型の電動歯ブラシは全介助障害児には不向きなこと, 心拍数の変化率や外部行動の平均値で見るかぎり歯ブラシ間の差は見られなかったこと, 介助者が回転型電動歯ブラシにマイナスのイメージを抱いているにもかかわらず, 歯垢除去率が高く, 介助者間の差も少ないこと, の結論を得た. 全介助障害児の歯垢清掃には回転型の電動歯ブラシが極めて有用であると思われる.
ISSN:0583-1199