5 定期的な管理を受けている小児の齲蝕罹患に関する調査

目的:本診療科では第二大臼歯咬合完成までの定期的な検診による口腔の健康管理を行っているが, 今回その管理システムの成果を評価するために, 乳歯列期から長期にわたって管理してきた小児患者の齲蝕罹患状態及び咬合状態の変化について調査分析した. 対象ならびに方法:対象は出生年が昭和51年から昭和55年までの間で, 当科での咬合管理が昭和56年から昭和59年の間に開始されて定期的に検診を受けた患児63名である. 当科検診録をもとに齲蝕罹患状態及び咬合状態の変化について分析し, t-testにより検定を行った. 結果ならびに考察:1)主訴の内訳として齲蝕の問題が68.3%と対象者の2/3を占めていた....

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1995, Vol.33 (1), p.204-204
Hauptverfasser: 永野幸代, 山田恵子, 神山紀久男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:本診療科では第二大臼歯咬合完成までの定期的な検診による口腔の健康管理を行っているが, 今回その管理システムの成果を評価するために, 乳歯列期から長期にわたって管理してきた小児患者の齲蝕罹患状態及び咬合状態の変化について調査分析した. 対象ならびに方法:対象は出生年が昭和51年から昭和55年までの間で, 当科での咬合管理が昭和56年から昭和59年の間に開始されて定期的に検診を受けた患児63名である. 当科検診録をもとに齲蝕罹患状態及び咬合状態の変化について分析し, t-testにより検定を行った. 結果ならびに考察:1)主訴の内訳として齲蝕の問題が68.3%と対象者の2/3を占めていた. 2)初診時における齲蝕罹患は厚生省の歯科疾患実態調査(昭和56年)に比べて高い値(9.7)を示した. 3)乳歯dftの年齢的推移は, 初診時の年齢に関係なくほぼ同様の傾向を示したが, 厚生省の調査結果とはやや異なりdffのピークが5歳に認められた. 4)各定期診査時にみられた未処置歯数は平均0.9本で, 厚生省の値に比べてはるかに低い値を示し, 咬合管理の成果を認めた. それに対し管理患児の未処置歯永久歯数は乳歯同様0.9本であったが, これは実態調査に比べてわずかに低い値であった. 今後この点における管理の更なる検討が必要と思われる. 5)前歯部咬合関係は初診時, 最終診査時共に正常咬合が多く, 特に最終診査時においては79.4%と, その約8割が正常咬合と判定された. これは咬合への親の理解と当科における積極的な咬合誘導処置によるものと考えられる.
ISSN:0583-1199