第3大臼歯の歯胚形成時期に関する研究

著者らは第3大臼歯の歯胚形成がどのような時期に行われ,また第1大臼歯の歯根形成状態と第3大臼歯の歯胚形成がどのような関係にあるのかを確認する目的で1978年から1990年の間に福岡歯科大学小児歯科で治療およびスクリーニングを目的として来院した2-15歳までの小児(847人)のパノラマX線写真1101枚(内男子533枚,女子568枚)を用いて調査を行った.収集されたパノラマX線写真は,Moorreesらの分類に基づき,下顎左右第1大臼歯と上下左右第3大臼歯を14段階に分類した.その結果下記のような興味ある知見を得た. 1.第1および第3大臼歯の歯胚の形成状態に男女差および左右差はなかった. 2....

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1994/09/25, Vol.32(4), pp.838-846
Hauptverfasser: 田中, 美絵子, 尾崎, 正雄, 馬場, 篤子, 高田, 圭介, 新村, 健三, 本川, 渉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:著者らは第3大臼歯の歯胚形成がどのような時期に行われ,また第1大臼歯の歯根形成状態と第3大臼歯の歯胚形成がどのような関係にあるのかを確認する目的で1978年から1990年の間に福岡歯科大学小児歯科で治療およびスクリーニングを目的として来院した2-15歳までの小児(847人)のパノラマX線写真1101枚(内男子533枚,女子568枚)を用いて調査を行った.収集されたパノラマX線写真は,Moorreesらの分類に基づき,下顎左右第1大臼歯と上下左右第3大臼歯を14段階に分類した.その結果下記のような興味ある知見を得た. 1.第1および第3大臼歯の歯胚の形成状態に男女差および左右差はなかった. 2.第3大臼歯の歯胚の形成は早いもので上顎で6歳時,下顎で5歳時より認められた. 3.第3大臼歯の歯胚発現時期は下顎第1大臼歯の歯根尖完成の時期とほぼ一致し,左右とも約76%の発現頻度に達することが判明した. 以上のように第3大臼歯の歯胚を確認する場合,下顎第1大臼歯の歯根の形成状態を指標とすることが有効であり,必要とされるX線被爆量の軽減に役立つものと考えられた.
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.32.4_838