第一大臼歯の萌出遅延に関する臨床所見
パノラマ断層写真を用いた第一大臼歯の萌出度の評価方法を用い,当科受診患児の集団より,第一大臼歯の萌出遅延症例を抽出した.すなわち,1979年12月より1989年6月までの間に九州大学歯学部附属病院小児歯科外来を受診した暦齢3歳0ヵ月から9歳11ヵ月までの日本人健常児2,245名(男児1,103名,女児1,142名)において撮影されたパノラマ断層写真を用いて,各第一大臼歯の萌出段階を求めた.そして萌出段階に対する暦齢が平均値より2SD以上大きい場合を遅延症例とした. 抽出された84症例(男児37名,女児47名)の臨床所見をまとめてみると,まず,萌出遅延は1歯のみまたは片顎両側性に2歯発現すること...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1994/06/25, Vol.32(3), pp.437-443 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | パノラマ断層写真を用いた第一大臼歯の萌出度の評価方法を用い,当科受診患児の集団より,第一大臼歯の萌出遅延症例を抽出した.すなわち,1979年12月より1989年6月までの間に九州大学歯学部附属病院小児歯科外来を受診した暦齢3歳0ヵ月から9歳11ヵ月までの日本人健常児2,245名(男児1,103名,女児1,142名)において撮影されたパノラマ断層写真を用いて,各第一大臼歯の萌出段階を求めた.そして萌出段階に対する暦齢が平均値より2SD以上大きい場合を遅延症例とした. 抽出された84症例(男児37名,女児47名)の臨床所見をまとめてみると,まず,萌出遅延は1歯のみまたは片顎両側性に2歯発現することが多いことが明らかになった.また萌出遅延歯の半数近くは同時に歯胚形成遅延も伴っていた.さらに歯年齢の遅れに伴う萌出遅延症例も認められたが,多くは第一大臼歯または大臼歯部に遅延は限局しており,特に上顎では同時に,隣接した第二大臼歯の歯胚形成遅延または先天欠如を有する症例が多く認められた.さらに第一大臼歯のectopic eruptionも萌出遅延の原因の一つとして認められた.歯冠形態については上顎で咬頭数の変異も一都見られ,石膏模型上での計測では,下顎で歯冠近遠心径が小さい傾向がみられた. |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.32.3_437 |