1 乳歯歯冠幅径と歯間空隙量の関係に関する研究

乳歯列にみられる特徴の一つとして生理的空隙, すなわち発育空隙や霊長空隙がある. これらの歯間空隙は後継永久歯の排列に良好な影響を与えると考えられているが, 空隙の存在は永久歯が正常に排列するための完全な保障とはなり得ない. 本研究では, 乳歯列上の歯間空隙量と乳歯の歯冠近遠心幅径との関係を知ることを目的として, 石膏模型を用い調査を行った. 資料および方法:資料には福岡市早良区の幼稚園児及び本学附属病院小児歯科外来を訪れた小児で, 1985年から1988年の3年間に出生した小児から得られた乳歯列石膏模型のうちHellmanのDental age IIA期の男児103名, 女児82名, 計18...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1994, Vol.32 (1), p.236-236
Hauptverfasser: 進士久明, 小嶺隆一, 石田万喜子, 本川渉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳歯列にみられる特徴の一つとして生理的空隙, すなわち発育空隙や霊長空隙がある. これらの歯間空隙は後継永久歯の排列に良好な影響を与えると考えられているが, 空隙の存在は永久歯が正常に排列するための完全な保障とはなり得ない. 本研究では, 乳歯列上の歯間空隙量と乳歯の歯冠近遠心幅径との関係を知ることを目的として, 石膏模型を用い調査を行った. 資料および方法:資料には福岡市早良区の幼稚園児及び本学附属病院小児歯科外来を訪れた小児で, 1985年から1988年の3年間に出生した小児から得られた乳歯列石膏模型のうちHellmanのDental age IIA期の男児103名, 女児82名, 計185名の模型を用いた. 乳歯列上の歯間空隙量の総和によって, 空隙の存在しない群, 0~1mm群, 1~2mm群, 2~3mm群, 3~4mm群, 4mm以上の群に分け, 各群の乳歯歯冠幅径を求めた. その結果, 以下の結論を得た. 1)乳歯の歯冠近遠心幅径は, 乳歯列上の歯間空隙量の総和が大きくなるに従って, 僅かではあるが小さくなる傾向が認められ, 乳歯の歯冠近遠心幅径の大きさが乳歯列上の空隙量を左右する一因子となることが考えられた. また, その傾向は男児よりも女児に, 臼歯部よりも前歯部に強く表れた. 2)乳歯の歯冠近遠心幅径の性差については, 男児の方が女児より大きい傾向を示した. 3)乳歯の歯冠近遠心幅径の左右差については, 平均値の差の検定の結果, どの歯種に於いても左右差は認められなかった.
ISSN:0583-1199