8 無痛的局所麻酔注射の研究 第1報 表面麻酔・笑気吸入鎮静法の応用と注射針の検討
目的:小児が歯科診療を嫌う理由のひとつに, 局所麻酔の注射があげられる. 痛みや不快感を与えないことは, 小児の適切な行動管理上最も重要なことである. しかし「無痛化のための注射が“痛い”」のではナンセンスである. 我々は局所麻酔注射の際の痛みを軽減する対策として, 笑気吸入鎮静法と表面麻酔の併用により, 約80%の者には無痛的に刺入できることを第10回障害者歯科学会で発表した. 今回我々は, さらに局所麻酔注射の際の痛みを減少させるために新たに注射針を試作しその効果を検討した. 現在市販されている歯科用局所麻酔注射針で最も細いものは30Gで口径約0.32mmであるが, これよりさらに細い歯科...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1994, Vol.32 (1), p.215-215 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:小児が歯科診療を嫌う理由のひとつに, 局所麻酔の注射があげられる. 痛みや不快感を与えないことは, 小児の適切な行動管理上最も重要なことである. しかし「無痛化のための注射が“痛い”」のではナンセンスである. 我々は局所麻酔注射の際の痛みを軽減する対策として, 笑気吸入鎮静法と表面麻酔の併用により, 約80%の者には無痛的に刺入できることを第10回障害者歯科学会で発表した. 今回我々は, さらに局所麻酔注射の際の痛みを減少させるために新たに注射針を試作しその効果を検討した. 現在市販されている歯科用局所麻酔注射針で最も細いものは30Gで口径約0.32mmであるが, これよりさらに細い歯科用注射針, 口径約0.25mm針を試作し, 従来の30Gとの疼痛発現率を比較した. 対象:25歳から46歳までの健康成人18名で全員この研究の目的, 調査方法を理解した被験者とした. 方法:上顎左右第一大臼歯の根尖相当部の歯肉頬移行部の粘膜下に, 30G注射針又はテスト針を刺入角度約30度で刺入し, 同部で一時静止し, 疼痛の有無を「痛い・どちらでもない・痛くない」の3段階で質問した. 被験者に体動を起こさない様に解答を得た後, 3%プリロカイン1/30万エピネフリン含有0.2ml注入し, 再度同様に質問した. その後Visual Analogue Pain Scaleを用い疼痛の程度を表現させた. なお, 30G針とテスト針との区別は術者と被験者にも判らない様にし2重盲検法を用いた. またさらにパルスオキシメーターを用いて, 被験者の心拍数の変動を経時的に記録した. 結果:口径0.25mm注射針では, 笑気吸入鎮静法及び表面麻酔を併用することにより, 約90%の者が刺入時注入時ともに全く痛みを訴えなかった. 無痛的局所麻酔注射を実現するためには笑気吸入鎮静法と表面麻酔を応用するとともに細い注射針を用いることが極めて有効であると考えられた. |
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ISSN: | 0583-1199 |