7 エイクレスカッティング理論とその方法
患者にとって削られる音と痛みの恐怖心は大きく我慢しにくい. そこで, 隈部淳一郎(工博)の振動切削理論(パルス切削)を応用したエイクレスカッティング理論とその方法により, 少しでも患者がそのイメージをなくす事ができるかについて, 工学的基礎実験と臨床実験を30年間にわたり行ってきた. それにより不要な切削刺激を患者に与える事が激減した. 切れ味が良い事, 麻酔注射の時間がない事は, 切削時間の短縮につながり患者の心理的負担も少なくなるといった事実も大きな着目すべき点である. また, エイクレスを用いた切削では痛みを減少し, 歯を削る時の音や変位が小さくなる為, 注射麻酔を必要とせず治療を行なえ...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1994, Vol.32 (1), p.205-205 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 患者にとって削られる音と痛みの恐怖心は大きく我慢しにくい. そこで, 隈部淳一郎(工博)の振動切削理論(パルス切削)を応用したエイクレスカッティング理論とその方法により, 少しでも患者がそのイメージをなくす事ができるかについて, 工学的基礎実験と臨床実験を30年間にわたり行ってきた. それにより不要な切削刺激を患者に与える事が激減した. 切れ味が良い事, 麻酔注射の時間がない事は, 切削時間の短縮につながり患者の心理的負担も少なくなるといった事実も大きな着目すべき点である. また, エイクレスを用いた切削では痛みを減少し, 歯を削る時の音や変位が小さくなる為, 注射麻酔を必要とせず治療を行なえる事は, 子供にとっての恐怖心の減少と, 特に歯の交換期に非常に好結果をもたらす事を経験した. 切削時の疼痛管理が難しいという理由で不用意に行っていた抜髄が少なくなり歯を生活歯のままで処置できる可能性を高め得る事は, 生活歯を口腔内で保存できるといった歯科医として究極の目的の達成にもつながり, 意味があると考えられる. 心臓疾患や慢性病患者, 注射麻酔禁忌の患者や歯の切削治療に不安を生じ歯科医院に気軽に行けない患者, 更には治療に理解を得にくい子供にとっては, 特に治療上の効果が大きい. 痛みのメカニズムさえ, はっきりした定説がない現代, なぜエイクレスを使えば痛くないか, “こうだ”と言えるまで確証された論理が展開されないが, しかし, 理由はどうであれ, 歯の治療が痛くない, と知れば, 誰しも安心して治療が受けられる, エイクレスカッティングシステムの方法をとれば, 大脳皮質に, “痛み”を入力されない子供たちにとって, 過去の記憶から, “歯の治療は痛い”という方程式を立てられている大人よりはるかに治療を拒まない. だから, 子供たちは, 安心して治療者に身をまかせ, そのうちすやすやと眠ってしまうのだと思う. |
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ISSN: | 0583-1199 |