歯牙腫により上顎左側第二乳臼歯が埋伏した一例

4歳8ヵ月の女児が,上顎左側第二乳臼歯の萌出遅延を主訴として来院した。エックス線診査の結果,上顎左側第二乳臼歯は完全に埋伏していた。その咬合面上に長径5~6mmの楕円径の透過像があり,その内に3~4mm程度の石灰化物様不透過像が観察された。石灰化物様硬組織を外科的に摘出し,病理組織学的検索を行った。その結果,集合性歯牙腫と診断した。また,歯牙腫をエックス線マイクロアナライザーで元素分析したところ,象牙質内ではカルシウムはほぼ均一であった。しかし,エナメル質内ではカルシウムおよびリンは複雑な濃度分布を示した。マグネシウムはエナメル象牙境にかけて高い濃度で存在していた。...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1992/12/25, Vol.30(5), pp.1048-1055
Hauptverfasser: 佐野, 正之, 田辺, 盛光, 佐藤, 直芳, 諸星, 孝夫, 吉村, 譲, 岡藤, 正樹, 巣瀬, 賢一, 鹿田, 裕子, 五嶋, 秀男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:4歳8ヵ月の女児が,上顎左側第二乳臼歯の萌出遅延を主訴として来院した。エックス線診査の結果,上顎左側第二乳臼歯は完全に埋伏していた。その咬合面上に長径5~6mmの楕円径の透過像があり,その内に3~4mm程度の石灰化物様不透過像が観察された。石灰化物様硬組織を外科的に摘出し,病理組織学的検索を行った。その結果,集合性歯牙腫と診断した。また,歯牙腫をエックス線マイクロアナライザーで元素分析したところ,象牙質内ではカルシウムはほぼ均一であった。しかし,エナメル質内ではカルシウムおよびリンは複雑な濃度分布を示した。マグネシウムはエナメル象牙境にかけて高い濃度で存在していた。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.30.5_1048