6 上顎正中部に発生した多数埋伏過剰歯の1症例
口腔領域に発生する奇形の1つである過剰歯は, 日常臨床においてもよく見かけられるものである, そのほとんどが1歯のみで, 3歯以上の過剰歯が1口腔内に存在することはまれである. 今回われわれは, 上顎正中部に発生し永久歯萌出遅延の原因と考えられた多数埋伏過剰歯の1症例を経験したので報告した. 症例 患者 : 8歳2ヵ月, 男児. 初診 : 平成3年8月1日. 主訴 : 上顎前歯部の萌出遅延. 家族歴・既往歴 : 特記事項なし. 現病歴 : 平成3年4月, 学校歯科検診にて上顎両側1未萌出を指摘され某歯科を受診. 経過観察を行っていたが萌出傾向がみられず, X線写真にて過剰歯が認められたため,...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1992, Vol.30 (3), p.677-677 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 口腔領域に発生する奇形の1つである過剰歯は, 日常臨床においてもよく見かけられるものである, そのほとんどが1歯のみで, 3歯以上の過剰歯が1口腔内に存在することはまれである. 今回われわれは, 上顎正中部に発生し永久歯萌出遅延の原因と考えられた多数埋伏過剰歯の1症例を経験したので報告した. 症例 患者 : 8歳2ヵ月, 男児. 初診 : 平成3年8月1日. 主訴 : 上顎前歯部の萌出遅延. 家族歴・既往歴 : 特記事項なし. 現病歴 : 平成3年4月, 学校歯科検診にて上顎両側1未萌出を指摘され某歯科を受診. 経過観察を行っていたが萌出傾向がみられず, X線写真にて過剰歯が認められたため, 当科関連病院歯科を紹介された. 口腔内所見 : 上顎両側Aは脱落していたが上顎両側1未萌出状態であった. 上顎両側Bは残存していた. 咬合法X線写真では上顎両側1の根尖部に2歯, 左上Bの根尖部には3歯の過剰歯と思われる不透過像が認められた. 経過および処置 : 平成3年8月8日, 上顎両側1萌出遅延の原因と考えられる過剰歯5歯すべての摘出を試みた. 左上B根尖部の過剰歯で舌側2歯は摘出したが, 唇側部の1歯は摘出できなかった. 摘出物は, 1塊として存在せず, 歯牙と歯牙の間には歯胚と思われる結合組織を介して分離していた. 術後3ヵ月であるが治癒良好であり, 上顎両側1は順調に萌出傾向にある. |
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ISSN: | 0583-1199 |