6 小児の口腔領域の外傷の検討-長野県の幼稚園, 保育園児の受傷調査

運動機能の発達途上にある幼児は, 日常の行動範囲の拡大, 活動量の増加に伴い, 遊びの中などでの外傷に遭遇する機会が多く, 最近では住宅状況の変化をはじめ, 子どもを取り巻く環境は遊びや居住空間の劣悪さ, 遊具の多様化など外傷が起こりうる要因の増加も示唆されている. 幼児の外傷の特徴として顔面, 頭部は部位的に多いとされているが, 幼児の顔面および口腔領域の外傷について統計的に調査を行った報告は, 医療機関を受診した患児を対象とした報告はみられるが, 地域の一般集団についての実態は明確ではない. 演者らは, 中部地区の保育園児, 幼稚園児, 男児384名, 女児310名, 計694名を対象とし...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1992, Vol.30 (3), p.670-670
Hauptverfasser: 宮沢裕夫, 難波比呂志, 岩田盛満, 真田秀子, 大島信一, 岩崎浩, 片野隆, 今西孝博, 赤坂守人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:運動機能の発達途上にある幼児は, 日常の行動範囲の拡大, 活動量の増加に伴い, 遊びの中などでの外傷に遭遇する機会が多く, 最近では住宅状況の変化をはじめ, 子どもを取り巻く環境は遊びや居住空間の劣悪さ, 遊具の多様化など外傷が起こりうる要因の増加も示唆されている. 幼児の外傷の特徴として顔面, 頭部は部位的に多いとされているが, 幼児の顔面および口腔領域の外傷について統計的に調査を行った報告は, 医療機関を受診した患児を対象とした報告はみられるが, 地域の一般集団についての実態は明確ではない. 演者らは, 中部地区の保育園児, 幼稚園児, 男児384名, 女児310名, 計694名を対象とし顔面頭部の外傷の経験, 乳歯の外傷についての項目を園を通して家庭に配布したアンケート調査により実施し検討を行った. 1. 顔面・頭部の外傷の経験の有無は有効回答666名のうち305名, (46%)に既往が認められた. また, 受傷部位は, 前頭部24.0%, 目15.6%, 口唇12%以下の順であった. 2. 外傷の原因については, 転倒, 転落によるものが40.4%と最も多く, 以下その他の12.3%, 落下8.0%, 自転車によるもの6.3%の順であった. 3. 乳歯の外傷は有効回答694名中48名(7.0%)であり, 顔面の外傷の中で歯牙外傷の占める割合は比較的少ないと思われた. 4. 乳歯にどのようなケガをしたかについての結果は, 歯冠部の破折34.6%, 歯の動揺14.3%, 脱臼12.3%, 露髄, 歯肉損傷10.2%の順であった. 5. 歯の外傷の原因は顔面頭部と同様に転倒, 落下が高い頻度であるが人との衝突が6.4%にみられた. 6. 転倒による受傷の中では物を口に加えていたものとしておもちゃ類および歯ブラシが多くみられた.
ISSN:0583-1199