2. 上顎前方牽引装置の若年者への適用による治療効果について-乳歯列期に未治療の反対咬合者と比較して

要旨 : 骨格性乳歯列反対咬合に著者らの考案した上顎前方牽引装置(MPBA)を適用し, その有効性及び若年者への効果を検討した. 資料は骨格性の乳歯列反対咬合と診断され, 上顎前方牽引が行われ, 被蓋の改善を見た日本人女児11名の治療前後の側貌頭部X線規格写真22枚, 及び乳歯列反対咬合で, その後, 約2年半下顎永久前歯が萌出完了時まで反対咬合を呈していた日本人女児13名(対照群)の頭部X線規格写真, 各個体3枚の計39枚である. その結果, 1)上顎ではA点, Ptm, 未萌出上顎中切歯と乳歯列が前方へ有意に移動したが, 口蓋平面の反時計回りへの回転とOr, PNSの前方移動には有意な変化...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1992, Vol.30 (3), p.532-540
Hauptverfasser: 村上照男, 松田政登, 鈴木陽, 横田盛, 梶山啓次郎, 玉利和彦, 原田保, 茂呂直展
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 : 骨格性乳歯列反対咬合に著者らの考案した上顎前方牽引装置(MPBA)を適用し, その有効性及び若年者への効果を検討した. 資料は骨格性の乳歯列反対咬合と診断され, 上顎前方牽引が行われ, 被蓋の改善を見た日本人女児11名の治療前後の側貌頭部X線規格写真22枚, 及び乳歯列反対咬合で, その後, 約2年半下顎永久前歯が萌出完了時まで反対咬合を呈していた日本人女児13名(対照群)の頭部X線規格写真, 各個体3枚の計39枚である. その結果, 1)上顎ではA点, Ptm, 未萌出上顎中切歯と乳歯列が前方へ有意に移動したが, 口蓋平面の反時計回りへの回転とOr, PNSの前方移動には有意な変化は認められなかった. 2)下顎では後下方への有意な回転を示した. 3)B点の後方移動と上顎乳中切歯の唇側傾斜が被蓋改善に必要な動きの1/3ずつを占め, A点の前方移動と下顎乳中切歯の舌側移動が1/6ずつを占めていた. これらのことから, 本法は乳歯反対咬合者の上下顎及び歯列の成長に対し有意な変化を生じる手段であることが証明された.
ISSN:0583-1199