150 児童・生徒の歯肉炎に関する研究
はじめに:成人にみられる歯周疾患の根源は, すでに小児期の慢性歯肉炎として発病することを指摘しており, 小児期の歯肉炎実態を把握し, 適確な予防の方策を検討し確立することは成人期の歯周疾患の抑制といった面から重要である. 演者らは, 公衆衛生学的に客観的な診査の指標が十分でないとされている浅在性小児歯肉炎の評価法として唾液潜血測定用試験紙(サリバスターBld, 以下試験紙と略す)を判定に応用し, 学校歯科保健における歯肉炎スクリーニングの可能性について調査・検討した. 対象および方法:対象は, 口腔内および周辺に出血創が認められず上下顎前歯部が萌出している長野県下の小学生186名, 中学生21...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1992, Vol.30 (1), p.328-328 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに:成人にみられる歯周疾患の根源は, すでに小児期の慢性歯肉炎として発病することを指摘しており, 小児期の歯肉炎実態を把握し, 適確な予防の方策を検討し確立することは成人期の歯周疾患の抑制といった面から重要である. 演者らは, 公衆衛生学的に客観的な診査の指標が十分でないとされている浅在性小児歯肉炎の評価法として唾液潜血測定用試験紙(サリバスターBld, 以下試験紙と略す)を判定に応用し, 学校歯科保健における歯肉炎スクリーニングの可能性について調査・検討した. 対象および方法:対象は, 口腔内および周辺に出血創が認められず上下顎前歯部が萌出している長野県下の小学生186名, 中学生210名について調査した. 調査方法は上下顎犬歯間乳頭部および辺縁部歯肉26カ所について炎症の有無を判定し, 上下顎前歯部歯肉を各10回づつBrusingによる負荷の後に, 測定に必要かつ十分な量の被検者混合唾液を採取して試験紙(サリバスター)による判定を行った. 判定は30秒後の潜血量を比色法により5段階に評価した. まとめ:1)潜値反応のグレードが高くなるにしたがい, PM Indexの平均値も高くなる傾向が認められた. 2)Brusing負荷後の唾液潜血反応とPM Indexとの間に, 小・中学生ともに有意な相関関係が認められた. 3)潜血反応およびPM Indexは増齢的に増加する傾向が認められた. 4)潜血反応以(+++)以上ではPM Indexの値が著しく上昇することから(+)と(++)の間にスクリーニングラインの設定が可能であった. 5)スクリーニング基準を10パーセンタイルできった場合, 歯肉炎罹患者約30%と健全者75%が把握できた. |
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ISSN: | 0583-1199 |