120 上顎第一大臼歯におけるエナメル質表層フッ素濃度と酸溶解性について

緒言:エナメル質表層のF濃度は, 歯種, 歯面, 部位, 口腔内環境によって違いがみられ, 歯冠完成から萌出完了までの期間が長いものほど高いと言われている. しかし, 歯の萌出前後において, どちらに多く起因するかはまだ不明な点が多い. 一方, 未萌出歯を用いた実験では, 歯面, 部位的な濃度差はなかったという報告もある. そこで我々は, 抜去された上顎第一大臼歯20本を用いて, 同一形成時期と思われる部位について頬側面の近心部と遠心部, 舌側面の近心部と遠心部の4部門を定め, エナメル質表面層F濃度と酸溶解性について差があるかどうかを調べるために実験を行った. 材料及び方法:10%中性ホルマ...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1992, Vol.30 (1), p.314-315
Hauptverfasser: 丹羽弥奈, 渡部茂, 五十嵐清治, 市田篤郎, 中垣晴男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言:エナメル質表層のF濃度は, 歯種, 歯面, 部位, 口腔内環境によって違いがみられ, 歯冠完成から萌出完了までの期間が長いものほど高いと言われている. しかし, 歯の萌出前後において, どちらに多く起因するかはまだ不明な点が多い. 一方, 未萌出歯を用いた実験では, 歯面, 部位的な濃度差はなかったという報告もある. そこで我々は, 抜去された上顎第一大臼歯20本を用いて, 同一形成時期と思われる部位について頬側面の近心部と遠心部, 舌側面の近心部と遠心部の4部門を定め, エナメル質表面層F濃度と酸溶解性について差があるかどうかを調べるために実験を行った. 材料及び方法:10%中性ホルマリンに保存しておいたものを実験に先だって流水下で洗浄し自然乾燥後, 各部位について, 約2×2mmのWindowをnail varnishで作成した. 脱灰液として0.5M-HClO4を用いたWeatherellらのmicro-sampling-techniqueを応用して, 第4層までのCa, P, F濃度を測定し, 比較検討を行った. また, F濃度については, F濃度と深さの式y=ax-bから深さとその関係についても調べた. Caは原子吸光光度計, PはChenの比色法, FはHallsworthらのFイオン電極法で測定した. 結果:エナメル質表層から100μmまでの深さでは, p舌側面遠心部>頬側面近心部>舌側面近心部の順にF濃度が高かった. なお, 0.8~70μmの間ではp
ISSN:0583-1199