82 オルソパンモグラムを用いた下顎骨下縁皮質厚の経年的研究

小児歯科臨床のみならず, 一般歯科臨床でも頻用されているオルソパントモグラムから得られる, 下顎骨下縁皮質厚は臨床経験として, 成長発育にともないその厚さを増すことが知られている. しかしその成長変化を定量的に評価した報告は見あたらない. そこで, 下顎骨下縁皮質厚の加齢に伴う変化が, 成長発育の評価法となりうるかを, 晒した頭骨を用いて検討した. 材料は, 講座所蔵のインド人頭骨のうち, 歯列に異常を認められない100体を用いHellmanのdental ageに準じて10段階に分類しそれぞれ10体(合計100体)を用いた. 頭骨の固定は, 上下顎を中心咬合位で固定後, 頭骨をエックス線撮影...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1992, Vol.30 (1), p.297-298
Hauptverfasser: 逢坂亘彦, 辻川裕久, 清水良昭, 池松秀峰, 五嶋秀男, A. F. Carranza-Duran
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:小児歯科臨床のみならず, 一般歯科臨床でも頻用されているオルソパントモグラムから得られる, 下顎骨下縁皮質厚は臨床経験として, 成長発育にともないその厚さを増すことが知られている. しかしその成長変化を定量的に評価した報告は見あたらない. そこで, 下顎骨下縁皮質厚の加齢に伴う変化が, 成長発育の評価法となりうるかを, 晒した頭骨を用いて検討した. 材料は, 講座所蔵のインド人頭骨のうち, 歯列に異常を認められない100体を用いHellmanのdental ageに準じて10段階に分類しそれぞれ10体(合計100体)を用いた. 頭骨の固定は, 上下顎を中心咬合位で固定後, 頭骨をエックス線撮影装置に設定しやすくするために, 顔面部が露出するような穴を開けた発泡スチロール製の箱に入れた. 顎骨のオトガイ部を, 撮影装置のチン, レスト部に置き, 正中を合わせ, 咬合平面が水平になるような標準位で撮影した. 皮質厚型の計測は, オルソパントモグラムをトレースし, 左右大臼歯部, 左右小臼歯部および正中部に相当する計5点を設定し, デジタルノギスで計測を行った. オルソパントモグラフは拡大像となるため補正をし, 下顎骨下縁皮質厚とした. 分析は, 各発育段階間の成長量を, ステージ間増加量とし, IC期からAdult期までの総増加量に占める割合を, ステージ間増加率(%)とした. また, Adult期の皮質厚(100%とする)に対する各発育段階における皮質厚を成長率とし次の結果を得た. 1. IIIC期を除いた各発育段階において, 小臼歯部が大臼歯部より大きな値を示した. 2, 正中部はIC期を除いた各発育段階で最も小さい値を示した. 3. 各計測部位において, ほぼS字状曲線を示す発育様相を示した. 4. 各計測部位ともIIC期までに全成長量の60%に達した.
ISSN:0583-1199