16 乳歯の歯の異常が歯列におよぼす影響について―第2報 癒合歯・先天欠如歯を有する歯列弓の形態について

人類の咀嚼器官の退化傾向により, 顎骨は狭小化しつつあり, これに同調するように歯列弓の形態にも変化がみられる. 永久歯列に比べて原始型を維持しているとされる乳歯列には, このような変化は少ないとされているが, 乳歯列にみられる癒合歯・先天欠如歯も系統発生的な流れの一つの現象と考えられる. このように, 乳歯の癒合歯・先天欠如歯を有する歯列(以下, 異常歯列群と称する)では, その後継永久歯の欠如をも伴なう場合が多く, 永久歯列に至る咬合管理を行ってゆく上で, 乳歯列弓の形態を把握しておくことは重要である. この点に着目して演者らは, 第28回日本小児歯科学会大会において, 異常歯列群について...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1992, Vol.30 (1), p.268-269
Hauptverfasser: 平田順一, 今井麗, 久松貴子, 比嘉南美, 辺見敏代, 臼井紀世, 水柿文子, 高梨登, 赤坂守人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:人類の咀嚼器官の退化傾向により, 顎骨は狭小化しつつあり, これに同調するように歯列弓の形態にも変化がみられる. 永久歯列に比べて原始型を維持しているとされる乳歯列には, このような変化は少ないとされているが, 乳歯列にみられる癒合歯・先天欠如歯も系統発生的な流れの一つの現象と考えられる. このように, 乳歯の癒合歯・先天欠如歯を有する歯列(以下, 異常歯列群と称する)では, その後継永久歯の欠如をも伴なう場合が多く, 永久歯列に至る咬合管理を行ってゆく上で, 乳歯列弓の形態を把握しておくことは重要である. この点に着目して演者らは, 第28回日本小児歯科学会大会において, 異常歯列群について種々の距離計測を行い, いわゆる正常とされる乳歯列(以下, 正常歯列群)との比較を行った結果, 異常歯列群と正常歯列群との間に多くの有意な差を認めたことを報告した. そこで今回, 異常および正常歯列群の歯列引形態の特徴を把握する目的で, 規格写真から, まず両群の平均的形態を三次スプライン曲線として再現した. 次に, この曲線を客観的に示す目的で, 両側第二乳臼歯計測点の中点を原点として32等分し, 高速フーリエ解析を行った. その結果, 異常および正常歯列群の男女別, 上下顎別の平均的形態が再現でき, フーリエ解析によって得られたデータから, 等尺化した特徴量などを求めることにより, 異常歯列群および正常歯列群の男女別, 上下顎別の歯列弓形態の特徴を把握しえた.
ISSN:0583-1199