6 感染乳歯抜歯の有無が後継永久歯発育に及ぼす影響

乳歯根尖性歯周炎や乳歯の抜歯が後継永久歯の萌出および, 歯根形成に及ぼす影響について検索した. 生後10週より2週間隔でX線規格化写真を撮影し, 観察した. 観察歯は下顎P2・P3・Dp2・Dp3で, 総計328歯である. 実験は, (1)抜髄開放した感染乳歯を4週間放置後に抜歯した感染抜歯群(2)健全乳歯を抜歯した健全抜歯群(3)抜髄開放した感染乳歯を放置した感染放置群(4)前述の3群の反対側で何ら処置を施さず対照とした健全群の4群について, 後継永久歯の萌出状態, 歯根の形成状態, および萌出と歯根形成について検索し, 以下の結果を得た. 1. 永久歯の萌出状態 1)感染乳歯を抜歯した後継...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1992, Vol.30 (1), p.264-264
Hauptverfasser: 石黒裕茂, 会田栄一, 今村基尊, 小野俊明, 黒須一夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳歯根尖性歯周炎や乳歯の抜歯が後継永久歯の萌出および, 歯根形成に及ぼす影響について検索した. 生後10週より2週間隔でX線規格化写真を撮影し, 観察した. 観察歯は下顎P2・P3・Dp2・Dp3で, 総計328歯である. 実験は, (1)抜髄開放した感染乳歯を4週間放置後に抜歯した感染抜歯群(2)健全乳歯を抜歯した健全抜歯群(3)抜髄開放した感染乳歯を放置した感染放置群(4)前述の3群の反対側で何ら処置を施さず対照とした健全群の4群について, 後継永久歯の萌出状態, 歯根の形成状態, および萌出と歯根形成について検索し, 以下の結果を得た. 1. 永久歯の萌出状態 1)感染乳歯を抜歯した後継永久歯の萌出は他の群に比べ, 萌出に促進が認められた. 2)健全乳歯を抜歯した後継永久歯の萌出はP2において先行乳歯が健全な永久歯と差は認められなかったが, P3では骨萌出時頃に一時的に萌出に遅延が認められた. 3)感染乳歯を放置した後継永久歯の萌出は先行乳歯が健全な永久歯に比べ, P2において骨萌出時頃に一時的に促進を認めたが, P3では差が認められなかった. 2. 永久歯の歯根形成状態 1)感染乳歯を抜歯した後継永久歯のP2において先行乳歯が健全な永久歯に比べ, 一時的に歯根形成に促進が認められた. 2)健全乳歯を抜歯した後継永久歯では, 先行乳歯が健全な永久歯と歯根形成に差は認められなかった. 3)感染乳歯を放置した後継永久歯では, 先行乳歯が健酷な永久歯に比べ, 一時的に歯根形成に促進が認められたっ3. 永久歯の萌出と歯根形成との関係 1)健全乳歯根下の後継永久歯における萌出と歯根形成の関係には相関が認められた. 2)感染乳歯を抜歯した後継永久歯における萌出と歯根形成の関係には健全乳歯下の場合と同様に相関が認められた.
ISSN:0583-1199