2 修復用複合レジンの残留モノマーについて
最近, 修復用複合レジンは歯科材料学的に操作性, 耐久性ならびに審美性に優れてきたために広く臨床に普及するようになってきた. しかし, 未だに歯髄への為害性, 歯質との接着性, 研磨の困難性など, 多くの問題が残されている. 現在, この歯髄への為害性の原因としては, 材料から溶出した残留モノマーと辺縁漏洩による細菌の刺激が考えられている. そこで, 演者らは最近市販されている光重合型と化学重合型複合レジンを用い, この歯髄為害性の原因の一つとして考えられている残留モノマーの定性および定:量法を検討した. 材料は, 九州歯科大学小児歯科外来で使用している修復用複合レジンを実験に用いた. 光重合...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1991, Vol.29 (1), p.252-253 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 最近, 修復用複合レジンは歯科材料学的に操作性, 耐久性ならびに審美性に優れてきたために広く臨床に普及するようになってきた. しかし, 未だに歯髄への為害性, 歯質との接着性, 研磨の困難性など, 多くの問題が残されている. 現在, この歯髄への為害性の原因としては, 材料から溶出した残留モノマーと辺縁漏洩による細菌の刺激が考えられている. そこで, 演者らは最近市販されている光重合型と化学重合型複合レジンを用い, この歯髄為害性の原因の一つとして考えられている残留モノマーの定性および定:量法を検討した. 材料は, 九州歯科大学小児歯科外来で使用している修復用複合レジンを実験に用いた. 光重合型はPhoto Clearfil Bright, Clearfil Photo Posterior(クラレ), P-50(3M)であり, 化学重合型はClearfil Posterior, Clearfil SC(クラレ), Palfique Soft(徳曹)の6種類である. 試料の作製はポリエチレンチューブに複合レジンを充填して重合させた. 光重合型複合レジンは10, 20, 40秒間光照射を行った. また, 化学重合型複合レジンは通法に従って練和充填し, 24時間後に実験に供した. 残留モノマーの抽出は, 重合した複合レジンを粉砕して, メタノールで抽出し, 3000rpm, 10分間で遠心分離をして不溶所部分を取り除いて行った. 分析は島津高速液体クロマトグラフで235nmの吸光度を測定した. カラムはNucleosil 5C8を, 移動相はCH3CN:H2O=50:50(v/v)の混合液を使用した. また, 定量には絶対検量線法を用いた. 残留モノマーは光重合型では5~15%, 化学重合型では10~25%を示した. また, 光重合型は深部に行くにしたがって未重合モノマーが増大する傾向を示した |
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ISSN: | 0583-1199 |