4 当医院における歯科保健指導
近年, 小児の顎口腔系の成長と関連ある機能障害が指摘され幅広い歯科保健指導が要求されている. しかし, 歯科医院における指導は齲蝕から離れた状態では存在せず, 齲蝕を中心とした考え方を発展させるべき状況にあるようである. より内容のある指導を実現するには, 短時間で経年的な指導方法の確立が必要である. 当医院では, 今後の指導の基盤づくりとして, 口腔保健指導用紙を作製し, 歯科保健指導を行っている. その指導の有効性については第8回日本小児歯科学会で報告した. 今回は, 当医院の歯科保健指導の考え方ならびに指導内容(システム)を紹介し, それに従って行った指導状況について発表した. 調査対象...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1991, Vol.29 (1), p.243-244 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 小児の顎口腔系の成長と関連ある機能障害が指摘され幅広い歯科保健指導が要求されている. しかし, 歯科医院における指導は齲蝕から離れた状態では存在せず, 齲蝕を中心とした考え方を発展させるべき状況にあるようである. より内容のある指導を実現するには, 短時間で経年的な指導方法の確立が必要である. 当医院では, 今後の指導の基盤づくりとして, 口腔保健指導用紙を作製し, 歯科保健指導を行っている. その指導の有効性については第8回日本小児歯科学会で報告した. 今回は, 当医院の歯科保健指導の考え方ならびに指導内容(システム)を紹介し, それに従って行った指導状況について発表した. 調査対象:1988年5月(開院)から1990年4月までの2年間当医院を受診した患児1,113名であった. 調査方法:当医院で歯科保健指導を行った患児の中で特記すべき指導例を抽出し検討を加えた. 調査結果:乳歯列完成前では齲蝕に関する指導が多くみられ拇乳, 哺乳ビンおよびスポーツドリンクの中止指導が多数みられた. 成長とともに不正咬合ならびに咀嚼障害(かまない子・かめない子など), 顎関節症など顎口腔系の機能的障害に関する指導が多数を占めるようになった. 1. 齲蝕に関連のあるものとして, 拇乳およびスポーツドリンクなどの指導があった. これは, 医科における疾患および授乳との関連性が強く, 医科と歯科の連携指導の重要性を感じた. 2. 咀嚼障害, 顎関節症など顎口腔系の機能的な障害については, 専門分野でも, 指導基準が確立されていない. このように指導する側も混乱している状態であるが, この大きな因子に文明化された食事形態が指摘されており, 医科と歯科を区別しないような指導が必要と思われた. |
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ISSN: | 0583-1199 |