4 口腔軟組織に関する研究 第1報
口腔の三大疾患の一つである歯周疾患については, 小児期では局所的な原因によって惹起される不潔性歯肉災が大部分を占めている. また, 萌出性歯肉炎, あるいは思春期性歯肉炎なども口腔内の局所的要因と全身因子の関連の中で増悪することが知られている. 小児期において歯周疾患の予防の必要性は成人に比して低いとされているが, 経年的観察では成人に見られる歯周疾患の根源は, 既に小児期の慢性歯肉炎として発症することが示唆されており, この時期の実態を把握し, 的確な予防方法を確立することは重要である. 今回, 演者らは松本市内の1歳6カ月児87名, 3歳児126名, 小学校1年生105名, 小学校4年生1...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1991, Vol.29 (1), p.225-226 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 口腔の三大疾患の一つである歯周疾患については, 小児期では局所的な原因によって惹起される不潔性歯肉災が大部分を占めている. また, 萌出性歯肉炎, あるいは思春期性歯肉炎なども口腔内の局所的要因と全身因子の関連の中で増悪することが知られている. 小児期において歯周疾患の予防の必要性は成人に比して低いとされているが, 経年的観察では成人に見られる歯周疾患の根源は, 既に小児期の慢性歯肉炎として発症することが示唆されており, この時期の実態を把握し, 的確な予防方法を確立することは重要である. 今回, 演者らは松本市内の1歳6カ月児87名, 3歳児126名, 小学校1年生105名, 小学校4年生127名, 中学校1年生108名の合計553名について, 視診型の口腔内診査を行い, 調査対象を1歳6カ月児・3歳児の幼児群と小学校1年生・4年生・中学校1年生の学童・生徒群に分類し, 分析・検討した結果, 以下のような考察が得られた. 1. GIは学童・生徒群で高値を示し, 特に小学4年生でピークを示した. 2. 上顎切歯群では齲蝕のポイントが1歳半から3歳の間に急増, 小学1年生から4画面の間に激減していた. 3. 下顎切歯群ではPLI・CI・GI値が学童・生徒期で増加していた. 4. 学童・生徒群の叢生の者のうち, 上顎に叢生の見られる者の中では犬歯群のPLI・GI値, また, 下顎に叢生の見られる者の中では犬歯群のPLI値が高値を示した. 5. 学童・生徒群の反対咬合の見られる者のうち, PLIについては上顎犬歯・中切歯群, GIでは上顎犬歯群が高値を示した. |
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ISSN: | 0583-1199 |