1 重症心身障害者の実態調査―そのRiskfactorと口腔所見
重症心身障害児(重症児)とは文部省重症心身障害児研究班の定義によれば「身体的, 精神的障害が重複しかつ夫々重症であるもの」をいう. しかしながら従来, 重症児に関する歯科学的研究は身体的な面にのみ観察の主眼をおき, 精神的な面からのアプローチはほとんどなされていなかった. そこで演者らは重症児がもつ精神的, 身体的障害が口腔の機能や形態にどのように影響をおよぼしているかを知り, 口腔疾患の予防と治療に役立てようと本研究を企画し, 仮死や分娩異常の有無などの病歴と, 行動様式や行動異常などの日常行動について調査し, すでに報告した. 今回は重症児の口腔所見と先のRisk factor, 食事形態...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1991, Vol.29 (1), p.212-212 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 重症心身障害児(重症児)とは文部省重症心身障害児研究班の定義によれば「身体的, 精神的障害が重複しかつ夫々重症であるもの」をいう. しかしながら従来, 重症児に関する歯科学的研究は身体的な面にのみ観察の主眼をおき, 精神的な面からのアプローチはほとんどなされていなかった. そこで演者らは重症児がもつ精神的, 身体的障害が口腔の機能や形態にどのように影響をおよぼしているかを知り, 口腔疾患の予防と治療に役立てようと本研究を企画し, 仮死や分娩異常の有無などの病歴と, 行動様式や行動異常などの日常行動について調査し, すでに報告した. 今回は重症児の口腔所見と先のRisk factor, 食事形態, 行動様式および行動異常との関連性を検討したので報告した. 某国立療養所(重症心身障害児施設)に収容されている重症児113名について以下の項目を調査した. 1)歯の形態異常(形成不全, 着色も含む) 2)歯列弓形態 3)上下の歯列弓関係 4)口蓋の形態異常 5)歯肉の状態 6)嚥下障害1)歯の形態異常のある者33名(29.2%) 2)歯列弓形態異常のある者33名(29.2%) 3)上下の歯列弓関係に異常のある者44名(38.9%) 4)口蓋の形態異常のある者32名(28.3%) 5)歯肉の状態に異常のある者66名(56.6%) 6)嚥下障害のある者31名(27.4%) 診断名, 年齢, 新生児黄疸, 行動異常と口腔所見との間に統計学的に若干の関連性がみられた. 行動様式, 食事形態と口腔所見との間には統計学的に強い関連性がみられた. |
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ISSN: | 0583-1199 |