C-2-16 当診療所における第2小臼歯先天性欠如の実態調査

第2小臼歯の先天性欠如は, 日常の臨床においてしばしば遭遇することであるが, 先行する第2乳臼歯の臨床経過について詳細に報告された例は少ない. そこで今回私たちは, 当診療所に来院した小児の第2小臼歯先天性欠如の出現率, 及び先行する第2乳臼歯の経年的な調査を行った. 調査対象は, 1972年から1981年までに初診来院し6ヵ月毎の定期診査を継続して受け, 最終診査時の年齢が12歳以上の男児722名, 女児860名, 計1582名の診療録とX線写真をもとに調査した. 調査の結果, 第2小臼歯の先天性欠如は, 1582名中40名(2. 5%)に認められた. 発現部位は上顎より下顎に多かった. 先...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1990, Vol.28 (3), p.891-891
Hauptverfasser: 富士田隆, 三浦順子, 平山夕子, 中島佳代, 中世幸子, 長谷川泰子, 野間歌子, 栗山純雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:第2小臼歯の先天性欠如は, 日常の臨床においてしばしば遭遇することであるが, 先行する第2乳臼歯の臨床経過について詳細に報告された例は少ない. そこで今回私たちは, 当診療所に来院した小児の第2小臼歯先天性欠如の出現率, 及び先行する第2乳臼歯の経年的な調査を行った. 調査対象は, 1972年から1981年までに初診来院し6ヵ月毎の定期診査を継続して受け, 最終診査時の年齢が12歳以上の男児722名, 女児860名, 計1582名の診療録とX線写真をもとに調査した. 調査の結果, 第2小臼歯の先天性欠如は, 1582名中40名(2. 5%)に認められた. 発現部位は上顎より下顎に多かった. 先行する第2乳臼歯は, 歯髄処置が行われた症例はほとんどすべてが喪失しており, 生活歯ではそのままの状態で存続する症例が多かったが, 歯根の吸収は軽度又は中等度に認められ, 中には第1小臼歯の異所萌出により抜歯に至った症例もあった. また, アンキロージスと低位のために難抜歯となった症例もあった. 従って, 定期診査により先行する第2乳臼歯の変化を観察し, 歯列咬合状態とあわせた抜歯の時期及びその後の処置についての診断が必要であると考えられた.
ISSN:0583-1199