A-2-30 エナメル質白斑部に対するグラスアイオノマーセメントシーラントの応用

幼若永久歯の小窩裂溝部は齲蝕感受性が高く, しかも萌出期間中に初期齲蝕病変である白斑形成を認めることが少なくない. 白斑は臨床的には適切な処置により縮小ないし, 消失することが報告されており再石灰化の可能性が示唆されていることから, 小窩裂溝部エナメル質白斑への対応も再石灰化を促し, かつ填塞効果の期待できる方法が好ましい選択であると考える. そこで, 演者らはフッ素徐放性を有しフィッシャーシーラント用として応用され始めているグラスアイオノマーセメントシーラントを小窩裂溝部白斑へ応用し, 白斑部の変化を検討した. (実験方法)実験には, 人抜去小臼歯35歯を用い頬面エナメル質表層約300μmを...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1990, Vol.28 (3), p.861-861
Hauptverfasser: 棚瀬精三, 若松紀子, 藤居明範, 竹沢治子, 加藤陽子, 堀川容子, 吉田定宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:幼若永久歯の小窩裂溝部は齲蝕感受性が高く, しかも萌出期間中に初期齲蝕病変である白斑形成を認めることが少なくない. 白斑は臨床的には適切な処置により縮小ないし, 消失することが報告されており再石灰化の可能性が示唆されていることから, 小窩裂溝部エナメル質白斑への対応も再石灰化を促し, かつ填塞効果の期待できる方法が好ましい選択であると考える. そこで, 演者らはフッ素徐放性を有しフィッシャーシーラント用として応用され始めているグラスアイオノマーセメントシーラントを小窩裂溝部白斑へ応用し, 白斑部の変化を検討した. (実験方法)実験には, 人抜去小臼歯35歯を用い頬面エナメル質表層約300μmを削除研磨後, ダイヤモンドディスクにて幅200μm, 深さ約800μmの人工裂溝を作成した. 白斑形成は100mM乳酸溶液(3. 2mMCa, 2. 0mMP, 1%Hydroxyethylcellulose含有, pH5. 0, 37℃)に3日間浸漬し裂溝周囲部を含み白斑形成を行った. 白斑形成後, コントロール群, アイオノマーシーラント群(IS), エッチング後レジンシーラント群(ERS), エッチング無しのレジンシーラント群(RS)に分けシーラントを裂溝のみ填塞後, コントロール群を除き各々再石灰化溶液(1. 5mM Ca, 0. 9mM P, 0. 1M NaC1, pH7. 0, 37℃)に10日間浸漬する群と, 脱灰(上記溶液, 3h)と再石灰化(21h)を10日間繰り返す群に分け, 白斑部の変化をContact Microradiogramにより比較観察した. (結果)1)シーラント周囲部では, 再石灰化のみ群でISに比べERS, RSは表層部の再石灰化がみられたのに対し, 脱灰+再石灰化群では, ERSは脱灰が進行したが, ISでは脱灰深さに変化はみられなかった. 2)シーラント直下部では, 脱灰+再石灰化群においてISはERS, RSに比べ白斑部の脱灰進行を抑制していることが認められた.
ISSN:0583-1199