C-1-22 小臼歯部に発生した含歯性嚢胞の臨床的検討

顎口腔領域に発現する嚢胞では, 従来から歯根嚢胞に次いで含歯性嚢胞が頻繁に現れると報告されている. 対象を小児に限定した場合は, 含歯性嚢胞が最も多く, 特に下顎小臼歯部に好発すると報告されている. 今回, 演者らは九州歯科大学附属病院小児歯科外来を受診し, 臨床的かつ病理組織的に含歯性嚢胞と診断されたものの中から, 小臼歯部に発現した31症例について, 臨床所見, X線所見などを検討し, 興味ある所見を得たので報告した. 対象年齢は6歳から15歳で, 最も多かったのは女性は9歳で7症例, 男性は10歳で6症例であった. 全体においても9~10歳が最も多かった. 出現率について男性15例, 女...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1990, Vol.28 (3), p.844-844
Hauptverfasser: 古沢ゆかり, 横本満, 黒木裕美子, 粟生悟, 木村京子, 木村光孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎口腔領域に発現する嚢胞では, 従来から歯根嚢胞に次いで含歯性嚢胞が頻繁に現れると報告されている. 対象を小児に限定した場合は, 含歯性嚢胞が最も多く, 特に下顎小臼歯部に好発すると報告されている. 今回, 演者らは九州歯科大学附属病院小児歯科外来を受診し, 臨床的かつ病理組織的に含歯性嚢胞と診断されたものの中から, 小臼歯部に発現した31症例について, 臨床所見, X線所見などを検討し, 興味ある所見を得たので報告した. 対象年齢は6歳から15歳で, 最も多かったのは女性は9歳で7症例, 男性は10歳で6症例であった. 全体においても9~10歳が最も多かった. 出現率について男性15例, 女性16例で性差は認められなかった. 臨床症状としては, 圧痛が31症例全てに認められ, 腫脹が29症例に認められた. X線所見について, SHEAR(1976)の分類により本症例をまとめてみると, LATERAL TYPEが22症例と最も多く, 次いでCENTRAL TYPEが9症例であり, CIRCUMFERENTIAL TYPEはみられなかった. 嚢胞発現部位の先行乳臼歯の状態をみると, 嚢胞の上に残存乳臼歯がみられるものが27症例あり, その中の24症例は, 先行乳臼歯に, 根尖性歯周組織炎の治療後, 補綴処置が施されていた. 対称として非嚢胞例において残存乳臼歯の21歯中に補綴処置が施されてあるものは4例であった. 以上のことから, 先行乳臼歯の根尖性歯周組織炎などが原因となり, 含歯性嚢胞の発現に関与していたことが推察された.
ISSN:0583-1199