C-1-19 Cornelia de Lange症候群の一症例

Cornelia de Lange症候群は, 1933年にオランダの女医Cornelia de Langeにより報告された疾患である. 本症は病因論的裏づけがない為に, 症候学的に決められた疾患で, その主症状は特異な顔貌・身体及び知能の発育遅滞, 小短頭症, 眉毛密生, 耳介の低位着生, 種々の四肢奇形等である. 今回, 我々は本症候群と思われる症例に遭遇したので, その臨床的所見等について報告した. 症例:1983年4月1日生の男児 主訴:齲蝕 家族歴:家族には血族結婚はなく, 同胞は弟が1人おり, 両親・弟には特記事項は認められない. 既往歴:在胎39週, 妊娠出産に異常なく, 出生体重...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1990, Vol.28 (3), p.842-842
Hauptverfasser: 鈴木洋子, 青野薫子, 田辺盛光, 池松秀峰, 辻川裕久, 五嶋秀男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Cornelia de Lange症候群は, 1933年にオランダの女医Cornelia de Langeにより報告された疾患である. 本症は病因論的裏づけがない為に, 症候学的に決められた疾患で, その主症状は特異な顔貌・身体及び知能の発育遅滞, 小短頭症, 眉毛密生, 耳介の低位着生, 種々の四肢奇形等である. 今回, 我々は本症候群と思われる症例に遭遇したので, その臨床的所見等について報告した. 症例:1983年4月1日生の男児 主訴:齲蝕 家族歴:家族には血族結婚はなく, 同胞は弟が1人おり, 両親・弟には特記事項は認められない. 既往歴:在胎39週, 妊娠出産に異常なく, 出生体重2420g, 身長44.0cmであった. 全身所見:6歳2ヵ月時, 身長90.5cm, 体重12.5kgで顕著な成長障害を認め, 精神運動発達の遅れもみられた. 臨床所見は眉毛が濃く長い. 口唇は薄く, 口角は下方へ屈曲している. 上肢では, 手掌は小さく, 栂指の近位付着, 猿線を認める. 口腔内所見:口腔内は初診(6歳2ヵ月)時EDCBA|ABCDE/EDCBA|ABCDEが萌出しており・BA|ABCを除く歯に齲蝕がみられた. 歯冠の大きさは1SDの範囲内に入っており, |BCが癒合歯である以外は大きさや形態に異常はみられない. 歯列弓に関しては下顎が小さく, 特に幅径の劣成長が著しい. 佃らによると発現率が10%である唇顎口蓋裂, Bergらによると71%に発現がみられるという高口蓋は認められなかった. X線所見:乳歯根の吸収遅延, 永久歯胚の石灰化遅延が認められた. また, 手根, 手指骨の低形成および発育遅延を認めた. 歯牙年齢, 骨年齢は約3~4歳と推定され, 形態年齢(生体形測年齢)とほぼ一致した.
ISSN:0583-1199