B-1-8 小児の歯科診療時の協力性に関する研究 第9報

我々は, 幼小児の歯科診療室における協力性を向上させるための手法を開発, 確立する目的で, 歯科診療場面での幼小児の心理的しくみについての科学的実証的研究を続けている. 今回, 3歳から5歳までの小児100名に対し, 歯科治療を開始するまでに得られる70項目の要因の中で, どの調査, 検査項目, どのような行動が, 治療中の小児の行動を最もよく予測することができるのかを, 数量化理論II類を用いて分析を行なった. 分析は, 小児の治療協力度を外的基準に, 各要因の寄与の大きさをレンジを用いて検討した. 結果は次のとおりであった. 1)3歳児についての特徴的な要因として, 母の「社会的不適応因子...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1990, Vol.28 (3), p.821-821
Hauptverfasser: 原田桂子, 中川弘, 西田文彦, 鎌田浩二, 木内晶子, 有田憲司, 西野瑞穂, 鈴木敏昭, 高梨一彦, 佐々木保行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, 幼小児の歯科診療室における協力性を向上させるための手法を開発, 確立する目的で, 歯科診療場面での幼小児の心理的しくみについての科学的実証的研究を続けている. 今回, 3歳から5歳までの小児100名に対し, 歯科治療を開始するまでに得られる70項目の要因の中で, どの調査, 検査項目, どのような行動が, 治療中の小児の行動を最もよく予測することができるのかを, 数量化理論II類を用いて分析を行なった. 分析は, 小児の治療協力度を外的基準に, 各要因の寄与の大きさをレンジを用いて検討した. 結果は次のとおりであった. 1)3歳児についての特徴的な要因として, 母の「社会的不適応因子」, 「社会性発達検査」の「生活習慣」が考えられる. 2)4歳児については, 「初診時の齲蝕状態」「歯科診療意識調査」の中の「歯を削る時のがまん」の要因があげられる. 3)男児については, 「診療時観察」項目の中の「受付および診療台までの付添い依存度評定」, 母の「情緒不安定因子」の要因が特徴的である. 4)女児については, 「出産時の父の年齢」の要因が高く, 「歯科診療意識」項目との関連も強い. 今後, 被験者数をふやし, 同じ年齢の男女別など, 細かく分析していきたいと考えている.
ISSN:0583-1199