歯牙硬組織の発育と障害に関する研究

全国9地区における乳歯列期の男児503名,女児473名,合計976名(平均年齢4.9歳)と永久歯列期の男児457名,女児456名,合計913名(平均年齢16.6歳)とを調査対象として,先天欠如歯,過剰歯,栓状歯,癒合歯,双生歯,異常結節(基底結節・中心結節・カラベリー結節・プロトスティリッド・臼旁結節),エナメル質形成不全(白斑・着色・減形成)の発現頻度を歯種別に診査した.また,上記対象者のうち印象採得が可能であった乳歯列期の男児465名,女児440名,合計905名と永久歯列期の男児391名,女児354名,合計745名の歯牙模型を資料として,歯冠の近遠心および頬舌的最大幅径を計測し,歯牙硬組織...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1990/06/25, Vol.28(2), pp.466-485
Hauptverfasser: 石田, 良介, 三島, 賢郎, 足立, ちあき, 宮本, 充子, 大嶋, 隆, 甘利, 英一, 神山, 紀久男, 檜垣, 旺夫, 赤坂, 守人, 吉田, 定宏, 長坂, 信夫, 西野, 瑞穂, 中田, 稔, 祖父江, 鎮雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:全国9地区における乳歯列期の男児503名,女児473名,合計976名(平均年齢4.9歳)と永久歯列期の男児457名,女児456名,合計913名(平均年齢16.6歳)とを調査対象として,先天欠如歯,過剰歯,栓状歯,癒合歯,双生歯,異常結節(基底結節・中心結節・カラベリー結節・プロトスティリッド・臼旁結節),エナメル質形成不全(白斑・着色・減形成)の発現頻度を歯種別に診査した.また,上記対象者のうち印象採得が可能であった乳歯列期の男児465名,女児440名,合計905名と永久歯列期の男児391名,女児354名,合計745名の歯牙模型を資料として,歯冠の近遠心および頬舌的最大幅径を計測し,歯牙硬組織の発育障害と歯冠幅径との関連を調査した.その結果,乳歯列では先天欠如が17名(1.7%)に認められ,その多くは下顎乳側切歯であった.先天欠如を認めた者では,上顎乳犬歯,下顎乳側切歯の歯冠幅径が近遠心的に小さかった.栓状歯は11名(1.1%)に発現し,そのほとんどが上下顎乳犬歯であった.また,癒合歯は5.3%にみられ,下顎前歯部にのみ認められた.エナメル質形成不全では白斑が最も高頻度で16.0%にみられ,特に第二乳臼歯に多かった.次いで減形成が6.4%に,着色は5.2%に認められた. 永久歯では,先天欠如は5.7%に認められ,その多くは下顎第二小臼歯であった.この先天欠如を認めた老では,上顎中・側切歯,下顎犬歯が近遠心的に小さかった.栓状歯は3.0%に発現し,ほとんど上顎側切歯であった.また,これらの発現者の下顎中切歯は,近遠心的に小さかった.癒合歯は0.5%に認められ,双生歯,過剰歯は見られなかった.異常結節の発現頻度は基底結節が1.1%,中心結節が2.6%,カラベリー結節が7.1%,プロトスティリッドが0.3%,臼旁結節が1.3%であった.中心結節を有する者は, 男性より女性に多く,その上顎側切歯は近遠心的に大きかった.カラベリー結節を有する者は上下第一,第二大臼歯が頬舌,近遠心ともに大きく,下顎前歯でも頬香的に大きかった.エナメル質形成不全では白斑が最も高頻度で24.9%に認められ,特に上顎中切歯に多かった.次いで減形成が9.2%に,着色は8.1%に認められた. 以上の結果は,歯数の異常と形態の異常の多くが,歯の大きさと強く関連しており,永久歯においてその傾向が顕著であることを示している.
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.28.2_466