4 高校生の生活実態と歯肉炎
口腔の三大疾患の一つである歯周疾患については, 局所的な要因により惹起される不潔性の歯肉炎が大部分を占め, 高度な骨破壊を伴う例は稀であることなどから, 予防への対応のディマンドは低いとされている. しかし, McCallらの経年的観察では成人の歯周疾患の根源は, すでに小児期に発症することが知られており, ライフサイクルの中でも変化していくことが知られている. 高校生における歯肉炎の実態を把握し, 予防の方法を確立することは, 成人期に至るまでの歯周疾患を抑制する面から重要であると思われる. 演者らは, 日常生活と関連が深く, 単一の要囲としてとらえにくいとされる歯肉炎が, 生活習慣, 態度...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1990, Vol.28 (1), p.268-268 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 口腔の三大疾患の一つである歯周疾患については, 局所的な要因により惹起される不潔性の歯肉炎が大部分を占め, 高度な骨破壊を伴う例は稀であることなどから, 予防への対応のディマンドは低いとされている. しかし, McCallらの経年的観察では成人の歯周疾患の根源は, すでに小児期に発症することが知られており, ライフサイクルの中でも変化していくことが知られている. 高校生における歯肉炎の実態を把握し, 予防の方法を確立することは, 成人期に至るまでの歯周疾患を抑制する面から重要であると思われる. 演者らは, 日常生活と関連が深く, 単一の要囲としてとらえにくいとされる歯肉炎が, 生活習慣, 態度, 行動等の生活要因とどのように関連するかについて, 歯肉の炎症指数を外的基準として, 林の数量化II類を用い分析検討を行った. その結果, 以下の結論が得られた. 1)分析項目の相関から, 甘味飲料を摂取する生徒は甘味食物を摂取し, 縦横両方磨きの刷掃習慣のない傾向が示唆された. 2)高校生の歯肉炎と7つの調査項目との関連は偏相関係数の順位より, 第1位は朝夕2回の刷掃回数で歯肉炎を軽減, 第2位は3食とも米食の食事内容で歯肉炎 を増悪することが示された. 3)日常生活のアンケート調査より抽出した7分析項目から, 歯肉炎のないグループと炎症を有するグループとの判別が可能であったとともに, 約65%の的中率が得られた. 4)高校生へのアンケートより抽出した生活実態から, 歯肉の炎症の有無がある程度判定できるとともに, 歯肉炎の炎症の予測も可能であることが示唆された. |
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ISSN: | 0583-1199 |