13 前歯にみられた萌出性腐骨の一例
萌出性腐骨は, 1963年にStarkeyとSheferによって提唱された歯の萌出に伴う異常の一つで, 多くは萌出直前か, 萌出直後の大臼歯咬合面上の歯肉に付着した骨小片である. 今回, 我々は上顎左側側切歯舌側に出現した萌出性腐骨の一例を経験したので報告した. 患児 : 昭和52年7月16日生, 初診時年齢11歳11ヵ月の男児. 主訴 : 上顎左側側切歯舌側に歯らしきものが萌出してきた. 現病歴 : 約1ヵ月前から上顎左側側切歯の舌側に歯らしきものが萌出してきたのに気づいたが, そのまま放置していた. しかし最近大きくなったようなので心配になり来院した. 口腔内所見 : 上顎左側側切歯の基底...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1990, Vol.28 (1), p.254-255 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 萌出性腐骨は, 1963年にStarkeyとSheferによって提唱された歯の萌出に伴う異常の一つで, 多くは萌出直前か, 萌出直後の大臼歯咬合面上の歯肉に付着した骨小片である. 今回, 我々は上顎左側側切歯舌側に出現した萌出性腐骨の一例を経験したので報告した. 患児 : 昭和52年7月16日生, 初診時年齢11歳11ヵ月の男児. 主訴 : 上顎左側側切歯舌側に歯らしきものが萌出してきた. 現病歴 : 約1ヵ月前から上顎左側側切歯の舌側に歯らしきものが萌出してきたのに気づいたが, そのまま放置していた. しかし最近大きくなったようなので心配になり来院した. 口腔内所見 : 上顎左側側切歯の基底結節部に表面が粗造な骨様の小片があたかも異常結節のように付着していた. この小片と歯の間に探針を入れて動かすと容易に小片だけが動いた. エックス線写真所見 : エックス線写真によると基底結節部に歯とは透過性の異なる二分された小片を認めた. 処置および経過 : 小片の一部は歯肉の中にあり摘出する際, 小量の出血があったが容易に歯から摘出することができた. この摘出した小片の大きいものは3mm×3mm, 小さいものは2mm×2mmであった. 摘出した小片をよく観察すると歯槽骨の一部ではないかと思われた. 小片を摘出した上顎左側側切歯は基底結節と近心辺縁隆線によって溝ができていた. この溝に小片の一部はくいこんでいた. 本症例の場合, 基底結節と舌側面の問にできた窪みと, 基底結節と近心辺縁隆線からできた溝によって腐骨が生じたものと思われる. |
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ISSN: | 0583-1199 |