6 アンケート方式による地域保育園児の歯の健康調査

港区麻布赤坂保育園歯科医会は当地域の保育園9園の0~5歳児の722名を対象として, 次のような事項についてアンケート調査を行い, 園児とそれをとり囲む環境条件を検討した. すなわち1. 哺乳の状態, 2. 歯みがき習慣, 3. おやつの与え方, 4. 食事と生活習慣, 5. 固い食べものの状態, 6. 指しゃぶり, 7. 両親の歯みがき習慣と知識である. 今回はその一部について報告する. 歯みがき習慣については家庭でみがかない率が1歳児51%2歳児55%だが3歳児は70%と高率で4.5歳児では31%, 24%と低下する傾向がみられた. また, 家庭における1日の歯みがきの状態は両親特に母親と同...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1990, Vol.28 (1), p.251-251
Hauptverfasser: 津田忠政, 明石るり子, 須永照久, 古畑升, 久松正洋, 小早川幸雄, 殿岡泰, 菅眞一, 岡村ナオ, 川崎仁, 可知和之, 大畑直暉, 今井雄世
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:港区麻布赤坂保育園歯科医会は当地域の保育園9園の0~5歳児の722名を対象として, 次のような事項についてアンケート調査を行い, 園児とそれをとり囲む環境条件を検討した. すなわち1. 哺乳の状態, 2. 歯みがき習慣, 3. おやつの与え方, 4. 食事と生活習慣, 5. 固い食べものの状態, 6. 指しゃぶり, 7. 両親の歯みがき習慣と知識である. 今回はその一部について報告する. 歯みがき習慣については家庭でみがかない率が1歳児51%2歳児55%だが3歳児は70%と高率で4.5歳児では31%, 24%と低下する傾向がみられた. また, 家庭における1日の歯みがきの状態は両親特に母親と同様に就寝前が一番多く, 次いで朝食後であり, 昼食後, 夕食後, 間食後はあまりみがいていないことが分かった. おやつの与え方についてはいつも決った時間に与える親が59%, そうでないもの35%であった. おやつの内容は飲物, おかし, くだものの順に多く, 発育ざかりの小学児童に比べるとめん類, いも類, パン類のようなおやつは少なかった. 固い食べものの状態については食べられる84%, 食べられないが14%で, 特に低年齢児に多く, 年齢の増加とともに少なくなる傾向がみられた. 東京都の学校保健統計書によると, 東京都公立学校12歳児のDMFT指数は地域により格差がみられ, そのなかで港区は指数が最も低い地域の1つとして報告されている. このような地域差の調査報告は前回(1986)行れた3歳児歯科健康診査報告とほぼ一致し, 乳歯齲蝕の少ない地域では永久歯齲蝕も少ない傾向があると考えられる. アンケートの結果からも各家庭での歯に対する関心の高さは認められるが, 決して十分であるとは言いがたい. 当保育園歯科医会はこれら結果をふまえ, 今後より良い口腔環境がいつも維持できるような習慣形成に努力してゆく所存である.
ISSN:0583-1199